2014年2月14日金曜日

【白梅・紅梅】

朝早く料理屋の主人に電話し、食材を注文しました。
今宵は赤貝・鳥貝・蕗の薹・蕗味噌を食べます(五感を使って)。

ところで急に思い立ち、週末から久留米の梅林寺に出かけます。

超早咲の「飛梅」は1月末〜2月上旬が見頃ですが、どうしても太宰府天満宮は人の多さが気になります。

早朝の澄み切った空気のもと、静かに「梅が香」を楽しみたい時は梅林寺に行きます。
梅林寺は何度も訪れており、材料も豊富な気がしますが、未だにどうしても俳句という詩型に収斂することが出来ません。

歳時記で「梅(白梅)」「紅梅」の例句を改めて読んでみました。
その中で気になった句を挙げてみます。

先ずは「梅(白梅)」を…

・白梅や父に未完の日暮あり               櫂 未知子

…日暮は白梅にもかかるのでしょう。夕の梅を詠んでいます。
一般的に「梅」は花より香を優先しまし、従前も遅くとも午前中の「梅」を詠んでいるようです。
掲句では香より花を、夕方の光(夕日、夕暮の明り)を取り入れています。
梅の花の、やや痛み、疲れ、倦んでいる景が浮かんできます。

「桜」は朝桜、夕桜とありますが、梅は前提として「朝の梅」であるという発見に驚くと共に恥じ入る気持ちになりました。

掲句はこうした既成概念を知った上で「夕の梅」を詠んだと思われます。

次に「紅梅」を…

・紅梅や熱はしづかに身にまとふ             中村汀女
・紅梅の空の深みに病むごとし              佐藤鬼房
・紅梅や病臥に果つる二十代               古賀まり子

「紅梅」の本情の一つには、このような倦怠感を伴った熱感がありそうです。

私にも同じような本情の句がありました。もちろん知らぬ間に先達の秀句に触れていたからでしょう。
拙句にて失礼致します。

紅梅や少女と微熱分かち合ひ

少女性愛というべきエロティシズムが配合されているのみです。

先に「先達の秀句に触れていた」と述べましたが、私は大歳時記の例句を全て読み上げます。手にはペンや鉛筆を持っています。出来るだけ五感をフルに活用しながら記憶するよう努めています。

別に俳句に限った話ではありませんが、これが出来ていない人が案外いるのではないでしょうか。
私の母は全く該当します。更にはそうした悪癖を治す努力もしません。

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