2014年1月29日水曜日

【Stand By】

旅から旅が続いています。合間にスポーツ・ジムに通い、次に必要なモノを揃えます。

ジムによる身体疲労や物理的な時間の乏しさもあり、デスクワークがはかどりません。
かろうじて直木賞作品・『恋歌』(朝井まかて・講談社)がナイトキャップです。

私は旅吟をしません。言葉の断片やフレーズをタブレット端末のメモに残す程度です。
旅で詩の材料を採取し、それらを机上で完成させていきます。

今は北海道に行くため、オーダーしたモノ待ちの状態です。遅くとも来週中には出立します。

その次は奈良・吉野を考えています。
残念ながら「おくのほそ道」の日本海編(後半)の旅は、夏に持ち越しです。

京都の話になりますが、義中寺につづき落柿舎に拙句集を寄贈させていただきました。

あと4年以内には第二句集を上梓するつもりです。

2014年1月27日月曜日

【『俳句』2月号より③(終)】

〈日本の俳人100 岬 雪夫句集『謹白』〉
-新作7句『花御堂』-

・アネモネやもう夕弥撒(ミサ)の終るころ

-『謹白』自選20句抄-

・東京は別れるところ水中花

・ここよりは木曾路ここより木下闇

・水喧嘩しどろもどろに終りけり

〈今日の俳人 作品7句『風光る』東條未英〉

・開演のベルに畳んで春ショール

〈今日の俳人 作品7句『有漏無』八須恵由〉

・蓮根掘り済みし田の水吹かれをり

〈今日の俳人 作品7句『川沿ひに』麻里伊
(なし)

〈今日の俳人 作品7句『春の野』加藤哲也〉

・ふり返る落第坊主葱坊主

〈今日の俳人 作品7句『冬の蝶』柳生正名〉

・鳥飛ぶは鳥の骨飛ぶ冬深空

〈今日の俳人 作品7句『胆力』川口真理

・初雪のひかりを奪ひ観覧車

〈Close Up 村上喜代子句集『間紙』〉
-新作5句『冬桜』-
(なし)

-『間紙』自選20句抄-

・生きてゐるうちは墓守草を引く

・田も畑も滴る山のなかにあり

・死してより玉虫はわが懐に

〈新鋭俳人 20句競詠『両側』小野あらた

・焼鳥やラジオの声の柔らかし

・セーターを着て眠くなる子供かな

〈新鋭俳人 20句競詠『足』澤田和弥

・亀鳴くを待ちて婚期を逃しけり

・春愁の床に落ちたる酢豚かな

〈俳人スポットライト『肥後朝顔』福永満幸

・研ぎ上げし包丁二本初鰹

〈俳人スポットライト『乾鮭』近藤英子
(なし)

〈俳人スポットライト『睫毛』鈴木まゆう

・マスクして礼儀正しきことを言ふ

〈俳人スポットライト『銀河鉄道』橋場雅秋

・白神の倒れし株に月夜茸

2014年1月26日日曜日

【『俳句』2月号より②】

〈作品16句『狐火』柿本多映〉

・舌の根の淋しきときを雪ばんば

〈作品16句『年の内』綾部仁喜〉

・茶の花や低脂肪食色淡し

〈作品8句『三陸海岸』加藤憲曠〉
(なし)

〈作品8句『冬桜』廣瀬町子〉
(なし)

〈作品8句『杣住まひ』伊藤 肇〉
(なし)

〈作品8句『南部坂』岡田史乃〉

・待ち合はす場所定まらず余寒かな

〈作品8句『如月』河野 薫〉
(なし)

〈作品12句『大自然からの示唆』大輪靖宏〉

・生きるとは胸躍ること春の駒

〈作品12句『いちにちを』津久井紀代〉

・牡丹焚き闇一枚を使ひ切る

〈作品12句『膨らむ定義』花谷 清〉

・ビー玉の影は黄みどり鳥雲に

〈作品12句『朧月』満田春日〉

・朧月のものを呑み込むにも力

2014年1月25日土曜日

【『俳句』2月号より①】

〈特別作品50句『春浅し』高橋睦郎

・老境も佳境に入りぬ春炬燵

・あめつちに滂沱と雨や鯰なべ

・鱧食ふや疊に蹠(あうら)投げ出して

・色町に検査日ありし片かげり

・眠りつゝ一身冷えぬ露葎

・年々の迅し眩しと雪頻る

「雪降れり時間の束の振るごとく 石田波郷」を連想します。
若き日を回想し「眩し」と捉えていると思います。

〈特別作品21句『山眠る』西山 陸

・笹鳴や臼の年輪つぶれゐて

〈特別作品21句『平穏』関 悦史

…「社会性俳句」に分類してもよいかも知れません。
今の私の小さき器量では、残念ながら採ることができません。またおもねるのも作者に失礼になります。
作者と接点は少ないのですが、それでも別の世界観を有する個性の存在を尊敬し、刺激を受けていることは事実です。

※ 旅行(京都)もあってブログを中断したままで、誠に申し訳ありませんでした。
北野天満宮の梅が開花し、「春近し」の感が強くなりました。
どうやら東北・北陸の旅は諦めざるを得ません。次は一気に北海道に旅をします。

2014年1月19日日曜日

【人間の尊厳・生きた証】

旅の直前に右膝の状態が増悪しました。
誘因はオーバー・ワークです。
つい調子に乗り、ランニング(ウォーキング)・マシンに傾斜をつけトレーニングしていました。

旅は敢行しますが、歩行に障害を来すのは明らかです。
ウォーキング・スティックを持参します。鎮痛剤を持参します。頻回にタクシーを利用することになります。

しばらくスポーツ・ジムはプールのみです。

まぁ、仕方ありません。
「身から出た錆」であり、自己管理・自己責任が不十分だったという話です。

ただこれから旅が続くので、困っているのは確かです。
旅をするためにジムに通い、そこで増悪して旅がまた困難となる…う〜ん、悩ましい。

ただ精神が生きていれば何とかなるものです。這ってでも前進することが出来ます。
生物学的に生きているだけであれば、人としての精神が生きているとは言い難いものがあります。Fighting Spiritに近い意志というべきでしょうか。

春風や闘志いだきて丘に立つ        高浜虚子

極端に言えば、精神の死は肉体の死に比べ、人間の尊厳を奪うものがあります。
もちろん肉体という「器」が死に至れば、精神も死に向かいます。

生命倫理の話になりますが、人間は文明とりわけ医学に、完全に身を委ねることがあってはならないと思います。それは自然の摂理に反しており、安易に享受する態度は「傲慢」と呼ぶべきものかも知れません。

大事なことはー有形無形は別としてー人間として「生きた証」の有無の問題ではないでしょうか。
【いざ都へと】

秋田(象潟)から南下する旅を計画していましたが、雪の影響や長旅になることを考慮し、いったんご破算にしました。

取りあえず明日1/20から京都に出かけます。4泊分の宿は予約していますが、はたして4泊5日で終わるのか不明です。慌てることなく、しばらく滞在しても良さそうです。

今回は歳時記などは持参せず、旅行鞄も小さいものです。
気が向いたらiPhoneやiPadにメモする程度です。

右膝の調子は大分良くなったとはいえ、勾配のある石段の連続には不安があります。
膝サポーターはもちろんのこと、ウォーキング・ストッククも持参します。

京都の旅が終われば、次は新潟・北陸の旅、そして北海道の旅と、これから2月までは旅が続きます。

えっ、肝心の仕事ですか…今年は仕事をしないと決めました。

2014年1月17日金曜日

【『俳壇』2月号より ③(終)】

〈俳壇賞作家のいま『若草山』唐澤南海子〉

・愛ゆゑのぶつきら棒や海鼠喰む

〈俳壇ワイド作品集『仔猫抱きしが』山本千代子〉

・雪解けて古里がまた痩せてをり

〈俳壇ワイド作品集『枯芭蕉』山本秋穂〉

・積ん読の栞はみ出す漱石忌

〈俳壇ワイド作品集『横浜点描』宮田和子〉
(なし)

〈俳壇ワイド作品集『心音』大竹照子〉
(なし)

〈俳壇ワイド作品集『山の日』桑原智代美〉
(なし)

〈俳壇ワイド作品集『梃子の力点』吉川一竿〉

・素手を以て寒九の丸太磨きけり

〈俳壇ワイド作品集『鼻濁音』望月哲土〉

・小六月象と時間を潰しおり

〈本阿弥ブックレビュー『路』保坂伸秋〉

・世に遠くなりしと思ふ虫を聞く

〈本阿弥ブックレビュー『沙羅の花』成川雅夫〉
(なし)

〈競詠・新句集の人々『冬深む』黒岩喜洋〉

・落葉して欅大樹の瘤あらは

〈競詠・新句集の人々『琅玕』久保久子〉

・葱焼いて己に甘きひと日かな

〈競詠・新句集の人々『留守の町』椙山昭三〉

・風にやつれて漁なき浜の冬烏



※『俳壇』の鑑賞は今回で終りとします。

2014年1月16日木曜日

【『俳壇』2月号より ②】

〈第二十八回俳壇賞受賞作品『よぢ登る』池谷秀子〉

・骨相の卑しからずよ破蓮

・先生はチョークのにほひ冬日向

・保父さんをよぢ登る子ら春よ来い

・蝙蝠が飛ぶよ門限破らうよ

・刈上げの子を先頭に捕虫網

〈第二十八回俳壇賞受賞作品『車座』長浜 勤〉

・しがらみを溜めこむ冬の天袋

・七夕の落語しだいに眠くなり

・ひとあめのあと鶏頭と葉鶏頭

〈第二十八回俳壇賞候補作品『夕雪嶺』加藤嘉風〉

・縮れ毛の児のはにかみや花ミモザ

・停まるたび空席ふゆる夜寒かな

〈第二十八回俳壇賞候補作品『謎のまま』新延 拳〉

・忘却の気やすさにあり白障子

・蜘蛛の子や出してはつぶれ同人誌

〈第二十八回俳壇賞候補作品『墨にほふ』黒澤麻生子〉

・縫ひ急ぐ薄き雑巾花八つ手

・秋風や家族のやうな鍋捨てて

2014年1月15日水曜日

【『俳壇』2月号より ①】

〈巻頭作品10句『雪が降る』奥名春江〉

・うすら日のままのいちにち実南天

・大樽を洗ふ山茶花日和かな

〈巻頭作品10句『枯木』倉田紘文〉

・青空を掃き清めゐる枯木かな

〈巻頭作品10句『吊橋』小泉八重子〉

・若水を汲むや心音鎮めつつ

〈巻頭作品10句『雪間草』友岡子郷〉

・弔電の束の向うに冬の波

〈巻頭作品10句『洛北』橋本榮治〉

・山ひとつ越えれば近江雪婆

〈巻頭作品10句『雪の使者』船越淑子〉
(なし)

〈巻頭作品10句『徒食日々』松倉ゆずる〉

・濃き眉を享けし乙女やとりかぶと

〈俳句と随想十二ヶ月 二月 『犬吠埼』安立公彦〉

・朱を散らし没る犬吠の冬日かな

〈俳句と随想十二ヶ月 二月 『艾屋』渡辺純枝〉

・艾屋に火種赤々山眠る

2014年1月14日火曜日

【暗唱句・照合】

昨年から〈暗唱句〉として挙げた、計1232句を「覚えておきたい極めつけの名句1000」(角川学芸出版)に照合してみました。

覚えておきたい…」には俳諧の発句はありません。子規以降の「俳句」です。
また分類を歳時記のようにしていないことによる弊害か、季語にやや偏りを感じます。

それでも30 %ほどは合致すると思っていましたが、結果は意外でした。

ただ中には完全に一致するものもあります。
〈春〉
・腸に春滴るや粥の味                    夏目漱石
・蟇ないて唐招提寺春いづこ                 水原秋桜子
・バスを待ち大路の春うたがはず               石田波郷
・女身仏に春剥落のつづきをり                細見綾子
・春ひとり槍投げて槍に歩み寄る               能村登四郎             
結果です。(合致した句の数/〈暗誦句〉)

春 ; 34/296  11.5 %
夏 ; 43/381  11.3 %
秋 ; 37/251  14.7 %
冬 ; 21/215   9.8 %
新年:  6/100    6.0 %

計 :  141/1232     11.4 %

この数字を念頭に置き、「暗唱句1.000」を作ります。合致した句でも残すとは限りません。そこから更に「暗唱句365」と絞り込みます。
少し時間を頂きます。

出来た時点で、word形式にてこのブログに添付します。
興味ある方は参考にされて下さい。

そもそも「暗唱句」は、自分の選を厳しくする目的と、未だ初学の母に送る目的で始めたものです。母には「暗唱句365」をコピーして送ります。

母には「声」に出し、できるだけ五感を駆使し、自他の句を読(詠)むように言っていますが、なかなか思うようになりません。

趣味であっても上手い方が良いものです。
そのための努力は当然ですが、その努力が実を結ぶことは僅かです。私の経験では1.000努力して1実るかどうかというところでしょうか。

努力量を増やせば実る数は増えますが、質として効率の良い努力の方が良いかと思います。要は質と量の積分値が結果に繋がると考えます。

2014年1月11日土曜日

【無酸素人間?】

右膝のリハビリが続いています。
引きつった感覚はありますが、日常生活に支障(歩行障害・疼痛)をきたすことはなくなりました。

スポーツ・ジムでのメニューも増え、当初の水中ウォーキングから今では筋トレ・マシンにまで及んでいます。
「一ヶ月前は歩けなかった」と申請しても、もはやジムのインストラクターたちは信じてくれません。

別に「健康バカ(フェチ)」になるつもりはありませんが…

時にプールの後、ぐったりとなることがあります。
そのまま帰ることも少なくありませんでしたが、最近は「携帯酸素(5 ℓ)」を隠れて(可燃性あり)吸入しています。
すると思い切り脳も体も回復します。

体がまだ「有酸素運動」を行うことに慣れていません。
私は「無酸素人間」かも知れません。細胞内のミトコンドリアが欠損しているかも知れません。

ミトコンドリアは母親の遺伝情報で決定されます。スポーツ選手や競走馬の場合、内的素因を大きく決めるのは「畑」ということになります。
良い「種」と良い「畑」が、能力(ポテンシャル)の高い「実」を結びます。

完全に禁煙するつもりはありませんが、煙草も徐々に軽めの物にし、本数も減らしています。また禁煙パイポ・ニコチンガムなどを利用しています。
禁煙ではありませんが「節煙」にはなっています。

それでもやはりデスク・ワークとなると、つい煙草に手が伸びます。
葉巻は従来通りふかします。

個人の価値観にもよりますが、「身の丈に見合うほどの贅沢」は生きているうちに味わうべきと私は思います。

2014年1月8日水曜日

【悶々】

1月後半から冬の日本海を旅します。

象潟から始まり、海岸線を南下し、大垣まで行き(ここまでは「おくのほそ道」とほぼ同じ道程)、その後に琵琶湖を巡り大津や京都に足を伸ばします。

おおまかに日程を考えると、最低でも10日間はかかります。
移動しながらの旅ですから、いくら列車を使っても現代人は旅疲れしそうです。

できるだけ移動中(列車)の荷物を少なくするため、新たに小型のキャリー・バッグを購入しました。スーツ・ケースでは列車内で場所をとります。

ここ数日の夜は日程とにらめっこし、悶々としています。
まぁ、うまくいく旅などありません。「案ずるより産むが易し」でしょう。
アクシデントがあるからこそ旅は楽しいのかも知れません。

2014年1月7日火曜日

【宿酔】

宿酔です。最近妙に健康的な生活を送っていましたが、心身の急激な変化は良くないと思い、「毒」を注入しました。

スポーツ・ジムは休みました。体調不良で行っても、効果がないばかりか、逆効果となります。二度寝・三度寝した後、ぬるま湯に浸かり、今「梅こぶ茶」を飲んでいます。

「日焼マシーン」(UV照射)のおかげか、風邪を引きません。免疫細胞が活性化されたのでしょうか。ただ「ガングロ」に近くなっていますので、適度に利用していきます。

煙草はニコチンガム(商品名;ニコレット)により50本/日が20本/日程度となりました。
煙草の種類も「セブンスター」から「メビウス(旧-マイルドセブン)」に替えました。

禁煙するつもりはありません。あくまで節煙です。
心肺機能も落ちますし、ニコチン依存症では日常生活に支障をきたします。
ただデスク・ワークでは、つい煙草に手が伸びてしまいます。

40代半ばに老眼を指摘されましたが、その後も内眼筋の調節機能は低下する一方です。
加えて今は「ドライ・アイ」に困っています。
目薬とサングラス(もしくは色付きの眼鏡)が欠かせません。

まぁ、体は正直といいますか、死に向かいつつあるのでしょう。

1月末から、秋田→山形→新潟→富山→石川→滋賀の旅を計画していますが、なかなかスケジュール等が定まりません。
旅にアクシデントはつきものです。ただ大まかに計画を立て、無理をしないことにより、ある程度のことは柔軟に対応できます。
荷物の重量が一気に増えますので、次回からPCや「大歳時記」は持参しません。

2014年1月6日月曜日

【「酢の物」になった私】

仕事始の方も多いのでないでしょうか。
私はプー?のままで、仕事始もありません。
とりあえず都市機能が平常に戻り、安堵しています。

昨日も「排毒エステ」を受けました。
肉体の毒は排出しても、精神の毒まで排出されては困ります。
肉体は精神の「器」であると思っています。

ただより良く生きるためには「器」のメンテナンスも欠かせません。
70才まで精神を保ってくれれば「御の字」です。

浴槽に湯を溜めることなど、ここ20年ほどはありませんでしたが、この頃は下半身浴を度々行うようになりました。
血行がよくなりますし、湯の中で膝を中心にマッサージをしています。解剖学の知識が役に立ちます。

飲用の「酢」を飲んでいます。妊娠していません(妊娠できません)。
いろいろな味がありますが、やはり酸っぱいものです。
「中国雑伎団」の団員になれるとは思いませんが、どうも自分の肉体が「酢の物」になっていく気がしてなりません。

火葬したら骨に何か違いはあるのだろうか、とつまらないことを想像します。
もっともいずれは肉体に毒を再注入しますが…人間は元来、悪いことが好きなものです。

2014年1月5日日曜日

【ジム始?・暗唱句終了】

年末・年始の旅を挟み9日振りにスポーツ・ジムに行きました。
ポンコツ寸前の体をなだめつつ、何とか旅や俳句を続けるため通っていますが(目的ではなく手段)、クラシック・カーやS・Lのメンテナンスのようです。

ところでジム始?は稽古始(初稽古)となるのでしょうか?

稽古始(初稽古);正月には何ごとも区切りをつけて、新たな心で取り組む。柔道・剣道などの武芸や、謡曲・仕舞・舞踏・生け花・ピアノ・ヴァイオリン・バレエなどの習いごとなど、新年最初の稽古は着飾って集まり、祝意をこめてなごやかに稽古を行うのである。(「角川俳句大歳時記」・新年 より)

・道場に女下駄あり初稽古                高橋淡路女
・はじかれて竹刀ころがる初稽古             廣瀬直人

確かに年末・年始を経て、正月に再び行うことは該当しますが、「新たな心」・「着飾る」・「祝意」「なごやか」なども含め、「新年」の本情である「寿ぐ」という意味からは逸れます。もちろん個人差はあるでしょう。

ですからジム始なる言葉は、稽古始(初稽古)に該当しないと思います。
同様な理由により、パチンコや博打の打始、囲(かこい)始、卓始なる言葉も新年の季語とするにはいささか問題があります。

それでは「ひめ始」はどうでしょうか?諸説あるものの、現在では正月初めて男女が交わることとして大半は解釈されています。
拙句にて失礼します。

・国生みの天沼矛(あめのぬぼこ)ぞひめはじめ

これは次の句を下敷きにしています。

・ほこ長し天が下照る姫はじめ              望 一

新年早々性的なものを扱うとはけしからん、と現在では言われそうです。また名句もありません。
以前も「正月初めて男女が交わること」は猥褻な行為そのものだったのでしょうか?

稲作文化において「男女が交わる」ことは「五穀豊穣」と同じく、「夫婦円満」や「子孫繁栄」にも繋がっていたと思われます。
また「盆踊」・「祭」の際の「夜這」や「逢引」(山間部など地域によっては現在も風習が残る)など、性に関しては比較的大らかであったと想像できます。

西洋の文化を歪曲して取り入れた結果が今日に至るのではないでしょうか。

俳諧・俳句が和歌と内容の上で異なる点の一つには、野卑にならない程度に適度に「俗」を配合させることではないかと思います。

〈暗唱句〉
生活
初笑
初笑ひたしなめつつも祖母笑ふ            星野立子
・泪すこしためたる父の笑初め             石原八束
・みどり子のおならめでたし初笑ひ           福島せいぎ    (☆)

独楽

おのが影ふりはなさんとあばれ独楽          上村占魚
・独楽二つながなが回り相触れず            宇多喜代子
・りんりんと独楽は勝負に行く途中           櫂 未知子    (☆)

重要季語40、暗唱句100です。これで新年の重要季語を終わります。

一年間お疲れさまでした。

春; 重要季語-104、暗唱句-285

夏; 重要季語-147、暗唱句-381
秋; 重要季語-  98、暗唱句-251
冬; 重要季語-  82、暗唱句-215
新年;重要季語-  40、暗唱句-100

計;重要季語-471、暗唱句-1232です。


これから「極めつけの名句1000」と照らし合わせていきます。

その上で最大公約数を取り、「暗唱句1.000」と「暗唱句-基礎365」を作成し、このブログにwordの形で添付します。少し時間を下さい。

2014年1月4日土曜日

【ちょいと「おくのほそ道」気分】

ようやく世間が平常に戻りつつあります。
旅は平常時にするのが良いとつくづく感じました。

今回は4冊の大歳時記を持ち歩きましたが、重いだけでほとんど役に立ちませんでした。
旅はできるだけ身軽がいいですね。
とりあえず3月までは旅を中心にします。

象潟や雨に西施がねぶの花

五月雨をあつめて早し最上川

荒海や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)

一家(ひとつや)に遊女もねたり萩と月

蛤のふたみにわかれ行(ゆく)秋ぞ              芭 蕉

多くの地を旅していませんが、その中でも比較的気に入っているのは琵琶湖湖畔です。
次の「みちのくの旅」の終りは琵琶湖湖畔にするつもりです。

行く春を近江の人と惜しみける                芭 蕉

さみだれのあまだればかり浮御堂               阿波野青畝

浮御堂にある店のホンモロコの甘露煮は絶品です。
浮御堂近くの料亭「しづか楼」http://www.shizukarou.comでは琵琶湖の幸や鴨料理、鮒寿司(濃厚なチーズのような味でクセになります)が楽しめます。
前回は「香天」の岡田主宰に無理を言い、「しづか楼」で会食しました。

今回も「しづか楼」に行きたいのですが、一人では食事できません。
友人がいない私はこういう時に困ります。う〜む…どなたかおられないでしょうか?

〈暗唱句〉

天文〈初明り〉
・堰を越す水のとらへし初明り             木下夕爾
・初あかりそのまま命あかりかな            能村登四郎
・いのちまた燃ゆる色なり初明り            神蔵 器
・影といふものまだ曳かず初明り            鷹羽狩行     (☆)
・初明り渚をのばす伊良子岬              伊藤敬子

生活〈年賀状〉

・賀状うづたかしかの人よりは来ず           桂 信子     (☆)
・賀状みな命惜めと諭しをり              岡本 眸

重要季語38、暗唱句94です。

2014年1月3日金曜日

【激流に呑まれて】

広島に戻ってきました。

年末年始の「民族大移動」の間隙を縫うつもりで旅行日程を組んでいましたが、やはり「甘かった」の一言に尽きます。多少の旅疲れを感じます。
大歳時記を4冊も持参したのはやはり失敗でした。
次回から大型連休には旅は控えます。

しかしながら早くも次の旅の計画を立てています。題して「みちのく一人旅」。
山形から石川へと南下し、京都または滋賀を目的地とする旅です。
芭蕉の「おくのほそみち」より山本譲二の歌の歌詞を参考にします。

句作もそろそろ始めます。「一日一句」を「目標」にします。あくまで「目標」です。
故・藤田湘子氏の「一日十句」という荒行は、私には到底無理です。

もちろん初学の頃は数年間、一年に3.000句程度の駄句を作っていました。
そしてそれらは全て塵と化しました。
俳句上達のプロセスに「多作」は必要です。
やがて効率が良くなりますが、次は「質」の要求水準が高くなります。

上記を踏まえると、「一日一句」といえど実際にはかなり大変な作業となる訳です

まぁ、気楽に構えて…今日はまだお屠蘇気分で「初打(パチンコ・麻雀)」でもすることにします。

〈暗唱句〉
生活
〈破魔弓〉
・をりからの雪に受けたる破魔矢かな          久保田万太郎    (☆)
・壺中なほ去年の闇あり破魔矢挿す           肥田埜勝美

〈初夢〉
・初夢の扇ひろげしところまで             後藤夜半
・初夢を話しゐる間に忘れけり             星野立子      (☆)
・初夢のいきなり太き蝶の腹              宇佐美魚目
・初夢の辻褄合つてしまひけり             片山由美子

〈初詣〉
・御手洗の杓の柄青し初詣               杉田久女      (☆)

重要季語36、暗唱句87です。

「角川俳句大歳時記・新年」(角川学芸出版)の重要季語は以上です。

「新日本大歳時記・新年」(講談社)と「日本の歳時記」(小学館)を見ますと、重要季語として天文-「初明り」、生活-「年賀状」・「初笑」・「独楽」があります。
これらを片付けます。

それで暗唱句は一年を通すことになりますが、データーを集め、「極めつけの名句1000」(角川学芸出版)と照合し、客観的に評価します。

その後に私なりの「暗唱句1000」と「暗唱句365」を編集したいと思います。

2014年1月1日水曜日

【謹賀新年】

明けましておめでとうございます。

元日の淑気をいきなり乱すようですが…しばらくのあいだ、「アケオメ」なる言葉?を「ひめはじめ」と勘違いしていました。やはり「オメ」が気になります。

「一年の計は元旦にあり」といいます。
新しい年を迎えるにあたり、抱負を述べたいところですが、客観的・具体的なものはありません。主観的・抽象的には、昨年の「休息モード」を経て今年は「リハビリ・モード」に移行するつもりです。

社会的には「就活」の必要性がありますが、当の本人のモチベーションが高まっていません。
今年一年はプータローをし、旅をしたり俳句を中心にしても良いかと考えています。
幸か不幸か、私には守るべき家族がありません。

まぁ、今年も「はぐれ狼」のような生きかたとなるのでしょう。

あまり型ぐるしく考えず、心にゆとりを持ってこの一年を迎えることにします。