【『俳句』2月号より③(終)】
〈日本の俳人100 岬 雪夫句集『謹白』〉
-新作7句『花御堂』-
・アネモネやもう夕弥撒(ミサ)の終るころ
-『謹白』自選20句抄-
・東京は別れるところ水中花
・ここよりは木曾路ここより木下闇
・水喧嘩しどろもどろに終りけり
〈今日の俳人 作品7句『風光る』東條未英〉
・開演のベルに畳んで春ショール
〈今日の俳人 作品7句『有漏無漏』八須恵由〉
・蓮根掘り済みし田の水吹かれをり
〈今日の俳人 作品7句『川沿ひに』麻里伊〉
(なし)
〈今日の俳人 作品7句『春の野』加藤哲也〉
・ふり返る落第坊主葱坊主
〈今日の俳人 作品7句『冬の蝶』柳生正名〉
・鳥飛ぶは鳥の骨飛ぶ冬深空
〈今日の俳人 作品7句『胆力』川口真理〉
・初雪のひかりを奪ひ観覧車
〈Close Up 村上喜代子句集『間紙』〉
-新作5句『冬桜』-
(なし)
-『間紙』自選20句抄-
・生きてゐるうちは墓守草を引く
・田も畑も滴る山のなかにあり
・死してより玉虫はわが懐に
〈新鋭俳人 20句競詠『両側』小野あらた〉
・焼鳥やラジオの声の柔らかし
・セーターを着て眠くなる子供かな
〈新鋭俳人 20句競詠『足』澤田和弥〉
・亀鳴くを待ちて婚期を逃しけり
・春愁の床に落ちたる酢豚かな
〈俳人スポットライト『肥後朝顔』福永満幸〉
・研ぎ上げし包丁二本初鰹
〈俳人スポットライト『乾鮭』近藤英子〉
(なし)
〈俳人スポットライト『睫毛』鈴木まゆう〉
・マスクして礼儀正しきことを言ふ
〈俳人スポットライト『銀河鉄道』橋場雅秋〉
・白神の倒れし株に月夜茸
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