【『俳句』11月号より④】
〈第59回 角川俳句賞 受賞作品『風のにほひ』清水良郎〉
・汗染むや電気工事の革ベルト
・耳を出てプールの水の温きかな
・羽蟻の羽ひきずつて歩きけり
・からからに束子のかはく西日かな
・新涼や胸いつぱいの畳の香
・押しピン指紋の跡の錆びて秋
・ラグビーのマウスピースが笑ひけり
・電熱の行火の強のにほひかな
・遮断機のうへ白蝶の吹かれをり
・たんぽぽやサインに首を振る投手
・春風を目で追ひかけてをりにけり
〈同候補作品『薬喰』谷口智行〉
・栗茹でし鍋湯を風呂に足しくるる
・墾道に鞣されてゆく鼬の屍
・貰ひ風呂待つ間に年を越しにけり
・風花や縄のかたちの藁の灰
・桜満開濁流の川向かう
・玉水を引ける生簀に半裂飼ふ
・布海苔搔く鮑の殻を押し当てて
・どの家も不在玉葱吊しゐて
〈暗唱句〉
生活〈探梅-晩冬〉
・探梅のこころもとなき人数(にんず)かな 後藤夜半 (☆)
行事〈蕪村忌〉
(なし)
動物〈寒鰤-晩冬〉→〈鰤-三冬〉の項目に含む。
これで重要季語79、例句211です。
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