【病の床より】
一日中、寝込んでいました。まだ咽頭痛がします。
スポーツ・ドリンクを5 ℓ(ペットボトル10本)は飲みました。
気が付けば9月も終りです。
どたばたして一年が過ぎようとしています。
俳句から離れていると、季節の変化に鈍くなり、置き去りにされた感じがします。
仕事の問題もあり、来年の春は広島を離れるかも知れません。
人生にはいくつかの転機が必要かと思います。
その後どうするか決めていませんが、少なくとも俳句を続けることは確かです。
〈暗唱句〉
生活〈酉の市-初冬〉
・一の酉もまれて厄を貰ふまじ 大木あまり (☆)
・大熊手かつぎ昔の廓町 後藤ひさし
動物〈鷹-三冬〉
・鷹の羽を拾ひて持てば風集ふ 山口誓子
・鷹の目に荘厳の黄や奧熊野 宇多喜代子 (☆)
・鷹鳴いて地酒ねばつく山の国 茨木和生
・一点のやがて大鷹あらはるる 伊藤伊那男
植物〈帰り花-初冬〉
・さかりをや俤にしてかへりばな 風 虎
・帰り花咲けば小さな山のこゑ 飯田龍太 (☆)
・帰り花鶴折るうちに折り殺す 赤尾兜子
重要季語6、例句21です。
2013年9月30日月曜日
2013年9月29日日曜日
【秋に病む】
気候の変化や環境からのストレスもあり、風邪を引いてしまいました。
喉が痛みます。煙草が刺激となります。
落雁の声の重なる夜寒かな 許 六
晩秋に近づきました。
冬の(重要季語の)暗唱句を始めます。
〈暗唱句〉
時候〈冬-三冬〉
・中年や独語おどろく冬の坂 西東三鬼
・山河はや冬かがやきて位に即けり 飯田龍太 (☆)
・尋常の死は冬に在り奥座敷 三橋敏雄
・冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏
天文〈冬日和-仲・晩冬〉
・冬晴や蔵のやうなる家ばかり 星野立子
・冬うらら海賊船は壜の中 中村苑子
・冬晴を賜ふ身ぐるみ影ぐるみ 村越化石 (☆)
・本陣の開けっ放しに冬うらら 坪内稔典
地理〈冬の山-三冬〉
・雪山を匐ひまはりゐる谺かな 飯田蛇笏 (☆)
・雪山のかへす光に鳥けもの 木村蕪城
・遠雪嶺近よりがたし去りがたし 古館曹人
・連なりて雪嶺一つづつ尖る 石井いさお
重要季語3、例句12です。
気候の変化や環境からのストレスもあり、風邪を引いてしまいました。
喉が痛みます。煙草が刺激となります。
落雁の声の重なる夜寒かな 許 六
晩秋に近づきました。
冬の(重要季語の)暗唱句を始めます。
〈暗唱句〉
時候〈冬-三冬〉
・中年や独語おどろく冬の坂 西東三鬼
・山河はや冬かがやきて位に即けり 飯田龍太 (☆)
・尋常の死は冬に在り奥座敷 三橋敏雄
・冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏
天文〈冬日和-仲・晩冬〉
・冬晴や蔵のやうなる家ばかり 星野立子
・冬うらら海賊船は壜の中 中村苑子
・冬晴を賜ふ身ぐるみ影ぐるみ 村越化石 (☆)
・本陣の開けっ放しに冬うらら 坪内稔典
地理〈冬の山-三冬〉
・雪山を匐ひまはりゐる谺かな 飯田蛇笏 (☆)
・雪山のかへす光に鳥けもの 木村蕪城
・遠雪嶺近よりがたし去りがたし 古館曹人
・連なりて雪嶺一つづつ尖る 石井いさお
重要季語3、例句12です。
2013年9月28日土曜日
【『俳句界』10月号より②(終)】
〈作品6句『命の恋』花森こま〉
(なし)
〈作品6句『瑞西行』塩路隆子〉
(なし)
〈作品6句『本能寺』上野一孝〉
・囮たる役を終へたり鮎焼かる
〈作品6句『廃船』木村里風子〉
(なし)
〈作品6句『秋桜』松永浮堂〉
(なし)
〈作品6句『とどまれば』髙道 章〉
(なし)
〈作品6句『秋潮』植田紀子〉
(なし)
〈ピックアップ 注目の句集 城取信平『めでためでた』〉
-新作10句『逆夢の花野』-
・雨のまつり太鼓も鉦も及ばざる
〈実力作家 代表句競詠 北野元生『“西東三鬼讚歌”抄』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 隈可須奈『筑後川』〉
・雑煮腹ゆつくりあるく故郷かな
〈実力作家 代表句競詠 慶徳健吾『春昼』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 渋川京子『椿赤くて』〉
・椿赤くて死ぬことを忘れがち
〈実力作家 代表句競詠 高橋比呂子『国境』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 谷口摩耶『秋桜』〉
・まだ熱き塀に凭れて花火待つ
〈実力作家 代表句競詠 若森京子『風の峠』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 重富架光『はみだした星』〉
(なし)
〈俳句界への招待 『もって菊』小林春鷗〉
・野菊路に焼き味噌の香の握り飯
〈俳句界への招待 『雲厚し』鈴木 烱〉
(なし)
〈New Age Line up 川嵜昭典『片陰』〉
・言葉まで輝いてゐる夕立あと
〈New Age Line up 棚元典子『一』〉
(なし)
〈作品6句『命の恋』花森こま〉
(なし)
〈作品6句『瑞西行』塩路隆子〉
(なし)
〈作品6句『本能寺』上野一孝〉
・囮たる役を終へたり鮎焼かる
〈作品6句『廃船』木村里風子〉
(なし)
〈作品6句『秋桜』松永浮堂〉
(なし)
〈作品6句『とどまれば』髙道 章〉
(なし)
〈作品6句『秋潮』植田紀子〉
(なし)
〈ピックアップ 注目の句集 城取信平『めでためでた』〉
-新作10句『逆夢の花野』-
・雨のまつり太鼓も鉦も及ばざる
〈実力作家 代表句競詠 北野元生『“西東三鬼讚歌”抄』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 隈可須奈『筑後川』〉
・雑煮腹ゆつくりあるく故郷かな
〈実力作家 代表句競詠 慶徳健吾『春昼』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 渋川京子『椿赤くて』〉
・椿赤くて死ぬことを忘れがち
〈実力作家 代表句競詠 高橋比呂子『国境』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 谷口摩耶『秋桜』〉
・まだ熱き塀に凭れて花火待つ
〈実力作家 代表句競詠 若森京子『風の峠』〉
(なし)
〈実力作家 代表句競詠 重富架光『はみだした星』〉
(なし)
〈俳句界への招待 『もって菊』小林春鷗〉
・野菊路に焼き味噌の香の握り飯
〈俳句界への招待 『雲厚し』鈴木 烱〉
(なし)
〈New Age Line up 川嵜昭典『片陰』〉
・言葉まで輝いてゐる夕立あと
〈New Age Line up 棚元典子『一』〉
(なし)
2013年9月27日金曜日
【『俳句界』10月号より①】
〈新作巻頭3句 三村純也〉
・一舟の漕ぎ出してゆく良夜かな
・湖を包み込んだる虫時雨
〈新作巻頭3句 戸垣東人〉
・自由とは捨ててゆくこと水の秋
〈新作巻頭3句 小西領南〉
(なし)
〈新作巻頭3句 松林朝蒼〉
(なし)
・〈新作巻頭3句 小河洋二〉
(なし)
・〈新作巻頭3句 飯野幸雄〉
(なし)
〈森田純一郎 自選30句〉
・バス停のあらず方陰すらあらず
・滝の他何もあらざり滝見茶屋
・吊る余地のあらぬ風鈴まつりかな
・慰めて慰められておでん酒
・しかめ面見せて鮟鱇売れ残る
・見ゆる距離届かぬ距離に浮巣あり
〈特別作品21句『塩むすび』加古宗也〉
(なし)
〈特別作品21句『峠びと』宮田正和〉
・萱刈りの大琵琶見ゆるところまで
〈特別作品21句『問答』橋本美代子〉
(なし)
〈新作巻頭3句 三村純也〉
・一舟の漕ぎ出してゆく良夜かな
・湖を包み込んだる虫時雨
〈新作巻頭3句 戸垣東人〉
・自由とは捨ててゆくこと水の秋
〈新作巻頭3句 小西領南〉
(なし)
〈新作巻頭3句 松林朝蒼〉
(なし)
・〈新作巻頭3句 小河洋二〉
(なし)
・〈新作巻頭3句 飯野幸雄〉
(なし)
〈森田純一郎 自選30句〉
・バス停のあらず方陰すらあらず
・滝の他何もあらざり滝見茶屋
・吊る余地のあらぬ風鈴まつりかな
・慰めて慰められておでん酒
・しかめ面見せて鮟鱇売れ残る
・見ゆる距離届かぬ距離に浮巣あり
〈特別作品21句『塩むすび』加古宗也〉
(なし)
〈特別作品21句『峠びと』宮田正和〉
・萱刈りの大琵琶見ゆるところまで
〈特別作品21句『問答』橋本美代子〉
(なし)
2013年9月26日木曜日
【『俳句』10月号より④(終)】
〈作品7句 今日の俳人『大きな嘘』伊藤政美〉
・迷ひたる跡の光りて蝸牛
・風に首伸ばしいよいよ羽抜鳥
〈作品7句 今日の俳人『千のこゑ』深沢暁子〉
・万緑の底より拝す磨崖仏
〈作品7句 今日の俳人『夏雲へ』中坪達哉〉
(なし)
〈作品7句 今日の俳人『萩の花』黒川悦子〉
(なし)
〈作品7句 今日の俳人『龍宮城』中田美子〉
・遠くから人の声する箱眼鏡
〈作品7句 今日の俳人『郡上八幡』河原地英武〉
(なし)
〈Close Up 今井肖子句集『花もまた』〉
-新作5句-
・中天に月ととのつて来りけり
-『花もまた』自選20句抄-
・寒月や照らすことなく光りをり
〈新鋭俳人20句競詠『日焼子』杉原絵里〉
(なし)
〈新鋭俳人20句競詠『約束』青池 亘〉
・昼寝の子保育園より連れ帰る
〈角川俳句賞作家の四季『ラフランス』広瀬敬雄〉
・美濃和紙の裏の手触り今朝の秋
・引く波に砂の素顔や盆の入
・無花果に唇が吸い込まれゆく
・一幹の竹かぶさりぬ秋の水
〈俳人スポットライト『鬼あざみ』綾野南志〉
(なし)
〈俳人スポットライト『江田島』山口美智〉
(なし)
〈俳人スポットライト『猩々袴』荒川心星〉
・舟虫の一目散といふ速さ
〈俳人スポットライト『停電』増田 守〉
・下り簗ぬめりて命ひとつ逃ぐ
〈作品7句 今日の俳人『大きな嘘』伊藤政美〉
・迷ひたる跡の光りて蝸牛
・風に首伸ばしいよいよ羽抜鳥
〈作品7句 今日の俳人『千のこゑ』深沢暁子〉
・万緑の底より拝す磨崖仏
〈作品7句 今日の俳人『夏雲へ』中坪達哉〉
(なし)
〈作品7句 今日の俳人『萩の花』黒川悦子〉
(なし)
〈作品7句 今日の俳人『龍宮城』中田美子〉
・遠くから人の声する箱眼鏡
〈作品7句 今日の俳人『郡上八幡』河原地英武〉
(なし)
〈Close Up 今井肖子句集『花もまた』〉
-新作5句-
・中天に月ととのつて来りけり
-『花もまた』自選20句抄-
・寒月や照らすことなく光りをり
〈新鋭俳人20句競詠『日焼子』杉原絵里〉
(なし)
〈新鋭俳人20句競詠『約束』青池 亘〉
・昼寝の子保育園より連れ帰る
〈角川俳句賞作家の四季『ラフランス』広瀬敬雄〉
・美濃和紙の裏の手触り今朝の秋
・引く波に砂の素顔や盆の入
・無花果に唇が吸い込まれゆく
・一幹の竹かぶさりぬ秋の水
〈俳人スポットライト『鬼あざみ』綾野南志〉
(なし)
〈俳人スポットライト『江田島』山口美智〉
(なし)
〈俳人スポットライト『猩々袴』荒川心星〉
・舟虫の一目散といふ速さ
〈俳人スポットライト『停電』増田 守〉
・下り簗ぬめりて命ひとつ逃ぐ
2013年9月25日水曜日
【『俳句』10月号より③】
〈新作10句競詠『秋の山』鷹羽狩行〉
・十六夜のきのふにまさる明るさよ
・秋耕の等身の影曳きゐたり
〈新作10句競詠『新涼』稲畑汀子〉
(なし)
〈鷹羽狩行『十七恩』自選三十句抄〉
・獅子舞の来て村ぢゆうが動きだす
・白魚の水より軽く汲まれけり
・もののみな東を向きて大旦
・客席を波とし眺め初芝居
・どこからも遠きところに鳰
・かんざしの触れて見せ合ふ初みくじ
・しばらくは青空のもの花吹雪
・巫女ふたり二羽のごとしや神の留守
〈日本の俳人100 高橋将夫句集『如意宝珠』〉
-新作7句-
(なし)
-『如意宝珠』自選20句抄-
・先頭は自分と思ふ踊の輪
・おほまかな剪定にして狂ひなし
〈新作10句競詠『秋の山』鷹羽狩行〉
・十六夜のきのふにまさる明るさよ
・秋耕の等身の影曳きゐたり
〈新作10句競詠『新涼』稲畑汀子〉
(なし)
〈鷹羽狩行『十七恩』自選三十句抄〉
・獅子舞の来て村ぢゆうが動きだす
・白魚の水より軽く汲まれけり
・もののみな東を向きて大旦
・客席を波とし眺め初芝居
・どこからも遠きところに鳰
・かんざしの触れて見せ合ふ初みくじ
・しばらくは青空のもの花吹雪
・巫女ふたり二羽のごとしや神の留守
〈日本の俳人100 高橋将夫句集『如意宝珠』〉
-新作7句-
(なし)
-『如意宝珠』自選20句抄-
・先頭は自分と思ふ踊の輪
・おほまかな剪定にして狂ひなし
2013年9月24日火曜日
【『俳句』10月号より②】
〈俳人の時間『久多』橋本榮治〉
・日の端を踏んで秋めく思ひあり
・どの顔も老いて踊の輪の一重
〈作品16句『舵手』能村研三〉
・廃校に校歌碑のこり蟬時雨
〈作品16句『伝播』依光陽子〉
(なし)
〈作品8句『山を行く』岡田日郎〉
(なし)
〈作品8句『蛇の衣』桑原まさ子〉
・羅やのれんくぐるに腰つかふ
〈作品8句『無言緊張』泉田秋硯〉
(なし)
〈作品8句『水の秋』和田順子〉
(なし)
〈作品8句『炎天』根岸善雄〉
・青簾吊りてきのふはもう古し
・水槽の海月腸透く熱帯夜
〈作品12句『月光』あざ蓉子〉
・満月やどの木の橋を渡ろうか
・鬼ごっこ後ろの正面紅葉山
〈作品12句『蒼白のピエロ』坊城俊樹〉
(なし)
〈作品12句『団栗と栗』夏井いつき〉
・鶏頭のつんつん泌尿器に不安
〈作品12句『アジア曼荼羅』西村我尼吾〉
(なし)
〈作品12句『青眼』中田尚子〉
・通し鴨即かず離れず離れけり
・胸高に締めたる帯や夏料理
〈俳人の時間『久多』橋本榮治〉
・日の端を踏んで秋めく思ひあり
・どの顔も老いて踊の輪の一重
〈作品16句『舵手』能村研三〉
・廃校に校歌碑のこり蟬時雨
〈作品16句『伝播』依光陽子〉
(なし)
〈作品8句『山を行く』岡田日郎〉
(なし)
〈作品8句『蛇の衣』桑原まさ子〉
・羅やのれんくぐるに腰つかふ
〈作品8句『無言緊張』泉田秋硯〉
(なし)
〈作品8句『水の秋』和田順子〉
(なし)
〈作品8句『炎天』根岸善雄〉
・青簾吊りてきのふはもう古し
・水槽の海月腸透く熱帯夜
〈作品12句『月光』あざ蓉子〉
・満月やどの木の橋を渡ろうか
・鬼ごっこ後ろの正面紅葉山
〈作品12句『蒼白のピエロ』坊城俊樹〉
(なし)
〈作品12句『団栗と栗』夏井いつき〉
・鶏頭のつんつん泌尿器に不安
〈作品12句『アジア曼荼羅』西村我尼吾〉
(なし)
〈作品12句『青眼』中田尚子〉
・通し鴨即かず離れず離れけり
・胸高に締めたる帯や夏料理
2013年9月23日月曜日
2013年9月22日日曜日
【『俳壇』10月号より④(終)】
〈現代俳句の窓 『原爆忌』伊東 亮〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『夜の秋』国保泰子〉
・名筆を心になぞり夜の秋
〈現代俳句の窓 『樹をのぞむ』川越歌澄〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『饒舌』齊藤史子〉
・どの畦からも山の風盆が来る
〈現代俳句の窓 『無人駅』島田青琴〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『黒日傘』鈴木公二〉
・黒日傘杖ともなせり原爆忌
〈現代俳句の窓 『天の静寂』関口謙太〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『巣立鳥』髙田潤一〉
・卯の花や降り出す前の湖の色
〈現代俳句の窓 『一個の種』中田多喜子〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『富士山頂』林 保子〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『師を二人』前田野生子〉
・玉虫のまだ光りゐる骸かな
〈競詠・新句集の人々 『東海道漫歩』石崎白泉〉
(なし)
〈競詠・新句集の人々 『螢の夜』稲田美恵子〉
・螢の夜戻りて火照る耳ふたつ
〈競詠・新句集の人々 『富士山周辺』尾崎恵美子〉
・富士山の雲の下よりはたた神
〈競詠・新句集の人々 『一夜城趾』川本育子〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『原爆忌』伊東 亮〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『夜の秋』国保泰子〉
・名筆を心になぞり夜の秋
〈現代俳句の窓 『樹をのぞむ』川越歌澄〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『饒舌』齊藤史子〉
・どの畦からも山の風盆が来る
〈現代俳句の窓 『無人駅』島田青琴〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『黒日傘』鈴木公二〉
・黒日傘杖ともなせり原爆忌
〈現代俳句の窓 『天の静寂』関口謙太〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『巣立鳥』髙田潤一〉
・卯の花や降り出す前の湖の色
〈現代俳句の窓 『一個の種』中田多喜子〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『富士山頂』林 保子〉
(なし)
〈現代俳句の窓 『師を二人』前田野生子〉
・玉虫のまだ光りゐる骸かな
〈競詠・新句集の人々 『東海道漫歩』石崎白泉〉
(なし)
〈競詠・新句集の人々 『螢の夜』稲田美恵子〉
・螢の夜戻りて火照る耳ふたつ
〈競詠・新句集の人々 『富士山周辺』尾崎恵美子〉
・富士山の雲の下よりはたた神
〈競詠・新句集の人々 『一夜城趾』川本育子〉
(なし)
2013年9月21日土曜日
【『俳壇』10月号より③】
〈平成俳人クロニクル 有手 勉〉
-新作10句『北の夏』-
・旱天や羊の乳を喇叭飲み
…大陸的な景の内容に、「旱天」の配合が見事です。
-自選 有手 勉50句-
・太鼓腹波打つてをり梅雨鯰
…この句も「梅雨鯰」が効果的に働いています。
〈若手作家トップランナー 堀本裕樹〉
-新作20句『流星の谺』-
・錆の浮く栓抜きひとつ盂蘭盆会
…盂蘭盆会のうら淋しさを、錆の浮いた栓抜きで表現しています。
・五寸釘打つ音の上の帰燕かな
…上手いですね。「音の上」が眼目です。
〈本阿弥ブックレビュー『出羽山河』庄司りつこ〉
(なし)
〈俳壇賞作家のいま 作品10句『小石ひとつ』勝又民樹〉
・紅き血を一点見せて目高浮く
…こうした景に見覚えがあり、懐かしさすら覚えます。
〈俳壇ワイド作品集『土用雀』鈴木しげを〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『辻廻し』小寺篤子〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『ブロンズの男』瀬尾千草〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『西国の島』畑中榮治〉
・農継がぬ子ばかり育て夕端居
…「夕端居」という落としどころが見事です。
〈俳壇ワイド作品集『鸛鶴』森 ちづる〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『そーダー水』嶌田岳人〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『遠い夏』森村誠一〉
・唇を交わさぬままや花明かり
…想聞句の返句です。唇を交わしていないところがいいですね。「花明かり」をつい「花月夜」としてしまいそうですが、それでは凡となります。
〈平成俳人クロニクル 有手 勉〉
-新作10句『北の夏』-
・旱天や羊の乳を喇叭飲み
…大陸的な景の内容に、「旱天」の配合が見事です。
-自選 有手 勉50句-
・太鼓腹波打つてをり梅雨鯰
…この句も「梅雨鯰」が効果的に働いています。
〈若手作家トップランナー 堀本裕樹〉
-新作20句『流星の谺』-
・錆の浮く栓抜きひとつ盂蘭盆会
…盂蘭盆会のうら淋しさを、錆の浮いた栓抜きで表現しています。
・五寸釘打つ音の上の帰燕かな
…上手いですね。「音の上」が眼目です。
〈本阿弥ブックレビュー『出羽山河』庄司りつこ〉
(なし)
〈俳壇賞作家のいま 作品10句『小石ひとつ』勝又民樹〉
・紅き血を一点見せて目高浮く
…こうした景に見覚えがあり、懐かしさすら覚えます。
〈俳壇ワイド作品集『土用雀』鈴木しげを〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『辻廻し』小寺篤子〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『ブロンズの男』瀬尾千草〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『西国の島』畑中榮治〉
・農継がぬ子ばかり育て夕端居
…「夕端居」という落としどころが見事です。
〈俳壇ワイド作品集『鸛鶴』森 ちづる〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『そーダー水』嶌田岳人〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『遠い夏』森村誠一〉
・唇を交わさぬままや花明かり
…想聞句の返句です。唇を交わしていないところがいいですね。「花明かり」をつい「花月夜」としてしまいそうですが、それでは凡となります。
2013年9月19日木曜日
【『俳壇』10月号より②】
〈俳句と随想十二ヶ月 十月 『草加』森田公司〉
(なし)
〈俳句と随想十二ヶ月 十月 『馬に喰はるるな』辻 恵美子〉
・この家の涼しさに置く旅鞄
…眼目は「涼し」の捉え方です。掲句の「涼し」には、「安堵感」(旅から戻ってきた)が感じられます。「寒し」(冬)の捉え方と近いものがあります。どちらもも心理的要素が強く働いています。
〈同行二人 ふたりで五十句 母子競詠 『沖は秋』花谷和子〉
・丸虫の右往左往や老いの暇
…「丸虫」はダンゴムシです。「右往左往」とありますので丸くなっていません。
ただ「丸虫」の動きを観察しています。「老いの暇」という着地も良いと思います。
全体として、気取らない、素直な心情が心地良く感じられます。
〈同行二人 ふたりで五十句 母子競詠 『秋の虹』花谷 清〉
・折鶴の折目色なきまで灼けて
…日光などで色が褪せている状態を、「色なきまで灼けて」と表現しています。
言われてみれば、確かに折鶴の折目は先行して色褪せます。
発見に近いものを感じさせます。
〈俳句と随想十二ヶ月 十月 『草加』森田公司〉
(なし)
〈俳句と随想十二ヶ月 十月 『馬に喰はるるな』辻 恵美子〉
・この家の涼しさに置く旅鞄
…眼目は「涼し」の捉え方です。掲句の「涼し」には、「安堵感」(旅から戻ってきた)が感じられます。「寒し」(冬)の捉え方と近いものがあります。どちらもも心理的要素が強く働いています。
〈同行二人 ふたりで五十句 母子競詠 『沖は秋』花谷和子〉
・丸虫の右往左往や老いの暇
…「丸虫」はダンゴムシです。「右往左往」とありますので丸くなっていません。
ただ「丸虫」の動きを観察しています。「老いの暇」という着地も良いと思います。
全体として、気取らない、素直な心情が心地良く感じられます。
〈同行二人 ふたりで五十句 母子競詠 『秋の虹』花谷 清〉
・折鶴の折目色なきまで灼けて
…日光などで色が褪せている状態を、「色なきまで灼けて」と表現しています。
言われてみれば、確かに折鶴の折目は先行して色褪せます。
発見に近いものを感じさせます。
2013年9月18日水曜日
【『俳壇』10月号より①】
〈『炎天』宇多喜代子〉
・誤字ちらちら七夕竹を担ぎゆく
…助詞の不足を感じますがが、句意は分かります。
〈『平成の子』大久保白村〉
・日盛の赤信号の長さかな
…実感を伴い句です。句意はよく分かるのですが、下五「長さかな」の措辞にやや疑問が残ります。
〈『バッタ見ず』高崎公久〉
(なし)
〈『第三の男』伊達甲女〉
・人間に生まれ蜜吸う涼み台
…一つ前の句も「蝶」の句です。ここでは人間と蝶の「蜜吸う」という行為を共通項としています。面白い感覚です。前半の「人間に生まれ」というの措辞がやや気になりますが、推敲によりより完成度が高くなる印象がします。
〈『魂祭』野木桃花〉
(なし)
〈『木犀忌』藤田直子〉
(なし)
〈『水の実の』横澤放川〉
(なし)
〈『炎天』宇多喜代子〉
・誤字ちらちら七夕竹を担ぎゆく
…助詞の不足を感じますがが、句意は分かります。
〈『平成の子』大久保白村〉
・日盛の赤信号の長さかな
…実感を伴い句です。句意はよく分かるのですが、下五「長さかな」の措辞にやや疑問が残ります。
〈『バッタ見ず』高崎公久〉
(なし)
〈『第三の男』伊達甲女〉
・人間に生まれ蜜吸う涼み台
…一つ前の句も「蝶」の句です。ここでは人間と蝶の「蜜吸う」という行為を共通項としています。面白い感覚です。前半の「人間に生まれ」というの措辞がやや気になりますが、推敲によりより完成度が高くなる印象がします。
〈『魂祭』野木桃花〉
(なし)
〈『木犀忌』藤田直子〉
(なし)
〈『水の実の』横澤放川〉
(なし)
2013年9月16日月曜日
【近況-自己愛】
「敬老の日」(振替休日)ということもあり、「金原まさ子」氏の話題が多いようです。
ここ1,2ヶ月間の私の近況です。
初めて夏バテを体験し、抑うつ状態が続いていました。更年期障害も加わったかも知れません。
そのことで生産的なことが全く出来ませんでした。単行本を一冊を読んだ程度です。
今年に限らず、私はほぼ毎年、一ヶ月間程度(特に秋)は、抑うつ状態となります。
その間は知的作業は出来ません。
そ自己嫌悪を感じつつ、暗闇の中でもがき続けるより他はありません。
ただ無理をすれば状態の増悪や長期化を招くことを、体験と知識から学んでいます。
今では治癒の時を静かに待つことにしています。
その間に自分と俳句との関係について考えます。時には俳句を止めてしまおうかと考えることもあります。
しかしその暗闇(のトンネル)を抜けると、以前とは違う自分を自覚します。あたかも以前の自分から「脱皮」したかのようです。広義での俳句界に対する視界も広くなります。
私の俳句における契機は、この連続といっても過言ではありません。
現在、暗黒のトンネルの出口の光をそろそろ感じています。体験によるものです。
今年は俳句を休息すると決めていましたから苦痛は軽い方でした。
A新聞社の依頼を断ったことは、客観的に勿体ない話でしたが、仕方がありません。
本来原点は、自分のための俳句であり(もちろん読者あってです)、社会のニーズに応えるための俳句ではないと思っています。
以前に受賞間もない、ある直木賞作家と会食したことがあります。
当時は少なくとも週に16,17本の連載を引き受けていました。しかしニーズに全て応えることにより消耗し、質の低下を招き、結局は社ニーズの低下を招きました。
需要と供給のバランスを取るのは難しいものです。
過剰な自己愛は別にして、自分を愛せない者が、他人を愛することや感動を与えることは非常に困難かと思います。
「敬老の日」(振替休日)ということもあり、「金原まさ子」氏の話題が多いようです。
ここ1,2ヶ月間の私の近況です。
初めて夏バテを体験し、抑うつ状態が続いていました。更年期障害も加わったかも知れません。
そのことで生産的なことが全く出来ませんでした。単行本を一冊を読んだ程度です。
今年に限らず、私はほぼ毎年、一ヶ月間程度(特に秋)は、抑うつ状態となります。
その間は知的作業は出来ません。
そ自己嫌悪を感じつつ、暗闇の中でもがき続けるより他はありません。
ただ無理をすれば状態の増悪や長期化を招くことを、体験と知識から学んでいます。
今では治癒の時を静かに待つことにしています。
その間に自分と俳句との関係について考えます。時には俳句を止めてしまおうかと考えることもあります。
しかしその暗闇(のトンネル)を抜けると、以前とは違う自分を自覚します。あたかも以前の自分から「脱皮」したかのようです。広義での俳句界に対する視界も広くなります。
私の俳句における契機は、この連続といっても過言ではありません。
現在、暗黒のトンネルの出口の光をそろそろ感じています。体験によるものです。
今年は俳句を休息すると決めていましたから苦痛は軽い方でした。
A新聞社の依頼を断ったことは、客観的に勿体ない話でしたが、仕方がありません。
本来原点は、自分のための俳句であり(もちろん読者あってです)、社会のニーズに応えるための俳句ではないと思っています。
以前に受賞間もない、ある直木賞作家と会食したことがあります。
当時は少なくとも週に16,17本の連載を引き受けていました。しかしニーズに全て応えることにより消耗し、質の低下を招き、結局は社ニーズの低下を招きました。
需要と供給のバランスを取るのは難しいものです。
過剰な自己愛は別にして、自分を愛せない者が、他人を愛することや感動を与えることは非常に困難かと思います。
2013年9月15日日曜日
【『三途の川は、きれいだぞ~』】
敬老の日です。
「きんさん・ぎんさん」の「ぎんさん」の四姉妹(いずれも高齢)の特集がNHKであります。タイトルは『三途の川は、きれいだぞ~』です。NHKも思い切ったことをしたものです。以前の『百歳バンザイ!』の流れでしょうか。
その四姉妹が「臨死体験」などにより、「三途の川」見た?訳ではありません。「死」を(人生の通過点として)肯定的に捉えるということが焦点かと思います。
確かに四姉妹は心身ともに老化が緩徐です。
「ヒト」の寿命は、遺伝子レベルでプログラミングされています。長命に直接関与する因子の存在は不明ですが、老化を阻害する因子(素因)は存在します。「早老症」という疾患はありますが、逆はありません。
四姉妹と同年齢の多く(一般人?)は、何らかの病気・障害を抱えています。
十年以上の寝たきりで(医療施設での全介助を要する)、家族の顔も判断できないまま、100才を迎える方も少なくありません。
私も含め皆さんも、将来同じとなる可能性はあります。
医療の発展には、元来一定の倫理のコンセンサスが必要です。人間の尊厳の問題であり、生命倫理の問題でもあります。
「子どもに面倒をみてもらおう」、「親の面倒を引き受ける」…儒教(朱子学)の思想は大事ですが、柔軟に変容しても良いのではないかと思います。
ハードとしての政策を待つことより、ソフトとしての個々の意識改革を率先すべきかと思います。
超高齢化社会の現在、自分自身の老後に対して2.000万円の預金が必要と言われています。
介護を自分たちで抱え込み過ぎ、結局は「共倒れ」となることもあります。深刻な場合では殺人などの事件に発展します。
また「敬老の日」や誕生日にだけ、「モノ」を送り、それっきりという家族もいます。「姥捨山」となっている医療施設もあります。
私はほぼ毎日、古稀をこえた両親に電話します。ただ現実問題として同居は出来ません。
お互いに負担にならない程度の関係を保つことも選択肢の一つと思います。
「敬老の日」は本来は「敬う」ための祝日ですが、親の介護や、自分の老いや介護について思いを馳せる機会の一つかも知れません。
敬老の日です。
「きんさん・ぎんさん」の「ぎんさん」の四姉妹(いずれも高齢)の特集がNHKであります。タイトルは『三途の川は、きれいだぞ~』です。NHKも思い切ったことをしたものです。以前の『百歳バンザイ!』の流れでしょうか。
その四姉妹が「臨死体験」などにより、「三途の川」見た?訳ではありません。「死」を(人生の通過点として)肯定的に捉えるということが焦点かと思います。
確かに四姉妹は心身ともに老化が緩徐です。
「ヒト」の寿命は、遺伝子レベルでプログラミングされています。長命に直接関与する因子の存在は不明ですが、老化を阻害する因子(素因)は存在します。「早老症」という疾患はありますが、逆はありません。
四姉妹と同年齢の多く(一般人?)は、何らかの病気・障害を抱えています。
十年以上の寝たきりで(医療施設での全介助を要する)、家族の顔も判断できないまま、100才を迎える方も少なくありません。
私も含め皆さんも、将来同じとなる可能性はあります。
医療の発展には、元来一定の倫理のコンセンサスが必要です。人間の尊厳の問題であり、生命倫理の問題でもあります。
「子どもに面倒をみてもらおう」、「親の面倒を引き受ける」…儒教(朱子学)の思想は大事ですが、柔軟に変容しても良いのではないかと思います。
ハードとしての政策を待つことより、ソフトとしての個々の意識改革を率先すべきかと思います。
超高齢化社会の現在、自分自身の老後に対して2.000万円の預金が必要と言われています。
介護を自分たちで抱え込み過ぎ、結局は「共倒れ」となることもあります。深刻な場合では殺人などの事件に発展します。
また「敬老の日」や誕生日にだけ、「モノ」を送り、それっきりという家族もいます。「姥捨山」となっている医療施設もあります。
私はほぼ毎日、古稀をこえた両親に電話します。ただ現実問題として同居は出来ません。
お互いに負担にならない程度の関係を保つことも選択肢の一つと思います。
「敬老の日」は本来は「敬う」ための祝日ですが、親の介護や、自分の老いや介護について思いを馳せる機会の一つかも知れません。
2013年9月14日土曜日
【アイデンティティー】
※ 一身上の都合により、ブログを更新できませんでした。深くお詫び申し上げます。
以前、中原道夫氏が次のようなことを言われていました。
「結社の主宰としては、清濁合わせ呑まざるを得ないが、一人の俳人としては自分に正直でありたいと思っている」
また氏の出版した多くの句集に対して、「音楽家でも芸術家でも定期的演奏会や個展などを開くわけで、同じように文芸を生業としている以上、定期的に句集を出すことはむしろ当然のことではないかと思う」
…氏のプロ意識の高さを感じました。発言内容が世間からズレているとは思いません。氏は「俳句界」が決して「象牙の塔」ではないと認識しています。一般常識に照らし合わせても尤もなことです。ただ時には当たり前のことを当たり前に言うことに勇気(毅然とした態度)?が必要かも知れません。
世の中には万事にグレーゾーンは存在します。しかし本来必要のないグレーゾーンはできるだけ明確にクリアカットするのが望ましいと思います。
「(俳句)結社」が「秘密結社」になってはいけませんし、「俳句界」が中世欧州の暗黒時代や錬金術が跋扈するようでは困りますし、そうした色彩を帯びていれば、ますます一般の方との乖離は広がる一方でしょう。
話は変わります。私の話です。
地方新聞に投稿していた初学の頃、一句当り10万円払ってでも掲載を欲するほど、狂気じみた「欲望」や「野心」がありました。ネガティブなハングリー精神です。
…全く浅ましい限りです。さながら餓鬼の如く「見栄」や「虚栄心」を求めていました。
今、思い出しても自己嫌悪に陥ります。
先日A新聞全国版から原稿(新詠15句)の依頼を受けました。
有り難い話でしたが断りました。
今は句作をしていませんし、拙句集に収録しなかった句を掻き集めるのも嫌悪します。
また今から15句作ることも不可能ではありませんが、元来寡作にくわえて、時間をかけて(数ヶ月〜数年)推敲を4,5回はします。
プロならば無理してでも取り組むでしょう。またそれ故プロなのだと思います。
ただ私はノン・プロ(アマチュア)であり、俳句で生計を立てようという気もありません。昔の狂気じみた野心はありません。俳句の向上心の野心は必要ですが、ライフ・スタイルを乱してまで世に出ようとは考えなくなりました。
「我儘」や「自信過剰」と誹謗中傷を受けても仕方ありません。
ただ今の私は、こういう形でしか生きられないこともまた事実です。
以前の私にはアイデンティティーが欠如していました。今は多少それを自覚出来ます。
「自負」、「矜持」、そして「自尊心」やというものは、アイデンティティーの確立あってのことだと思います。
私の人間形成において、俳句は重要な役割を果たしてきたと実感しています。
※ 一身上の都合により、ブログを更新できませんでした。深くお詫び申し上げます。
以前、中原道夫氏が次のようなことを言われていました。
「結社の主宰としては、清濁合わせ呑まざるを得ないが、一人の俳人としては自分に正直でありたいと思っている」
また氏の出版した多くの句集に対して、「音楽家でも芸術家でも定期的演奏会や個展などを開くわけで、同じように文芸を生業としている以上、定期的に句集を出すことはむしろ当然のことではないかと思う」
…氏のプロ意識の高さを感じました。発言内容が世間からズレているとは思いません。氏は「俳句界」が決して「象牙の塔」ではないと認識しています。一般常識に照らし合わせても尤もなことです。ただ時には当たり前のことを当たり前に言うことに勇気(毅然とした態度)?が必要かも知れません。
世の中には万事にグレーゾーンは存在します。しかし本来必要のないグレーゾーンはできるだけ明確にクリアカットするのが望ましいと思います。
「(俳句)結社」が「秘密結社」になってはいけませんし、「俳句界」が中世欧州の暗黒時代や錬金術が跋扈するようでは困りますし、そうした色彩を帯びていれば、ますます一般の方との乖離は広がる一方でしょう。
話は変わります。私の話です。
地方新聞に投稿していた初学の頃、一句当り10万円払ってでも掲載を欲するほど、狂気じみた「欲望」や「野心」がありました。ネガティブなハングリー精神です。
…全く浅ましい限りです。さながら餓鬼の如く「見栄」や「虚栄心」を求めていました。
今、思い出しても自己嫌悪に陥ります。
先日A新聞全国版から原稿(新詠15句)の依頼を受けました。
有り難い話でしたが断りました。
今は句作をしていませんし、拙句集に収録しなかった句を掻き集めるのも嫌悪します。
また今から15句作ることも不可能ではありませんが、元来寡作にくわえて、時間をかけて(数ヶ月〜数年)推敲を4,5回はします。
プロならば無理してでも取り組むでしょう。またそれ故プロなのだと思います。
ただ私はノン・プロ(アマチュア)であり、俳句で生計を立てようという気もありません。昔の狂気じみた野心はありません。俳句の向上心の野心は必要ですが、ライフ・スタイルを乱してまで世に出ようとは考えなくなりました。
「我儘」や「自信過剰」と誹謗中傷を受けても仕方ありません。
ただ今の私は、こういう形でしか生きられないこともまた事実です。
以前の私にはアイデンティティーが欠如していました。今は多少それを自覚出来ます。
「自負」、「矜持」、そして「自尊心」やというものは、アイデンティティーの確立あってのことだと思います。
私の人間形成において、俳句は重要な役割を果たしてきたと実感しています。
2013年9月8日日曜日
2013年9月7日土曜日
【季語あれこれ⑦】
春の季語(生活・行事①)
歳時記を読むと、知らない季語の多さに驚きます。ただ現代社会にそぐわないものもあります。
「鳴鳥狩(ないとがり)」・「列見(れけん)」・「御灯(ごとう)」…実感がわきません。
「春季皇霊祭」→(現在では)「春分の日」
「曲水」…もはや形骸化している感じがします。
「絵踏」・「和蘭陀渡る」…「絵踏み」の句を見ることはあります。過去の事象と割り切って使うのであれば構わないとは思います。
「事始」・「春ごと」・「出替」・「春聯」・「寒食」・「柳の鬘」…実感がわきません。
「鶏合」…東南アジアの軍鶏を闘鶏が有名ですが賭博としての闘鶏は日本は禁じられています。むしろ「闘犬(高知県が有名)」や「闘牛(牛の角突き)」の方が馴染みがあるでしょうか。
「三月十日」…東京大空襲忌です。恥ずかしながら知りませんでした。
「日迎」・「十三詣」・「水口祭」…う〜ん、実感がわきません。
「渡り漁夫」…やや古びた感じのする季語です。当時の鰊漁を偲ぶよすがは、「鰊御殿」と「石狩挽歌」(詩;なかにし礼、曲;浜圭介)でしょうか。
春の季語(生活・行事①)
歳時記を読むと、知らない季語の多さに驚きます。ただ現代社会にそぐわないものもあります。
「鳴鳥狩(ないとがり)」・「列見(れけん)」・「御灯(ごとう)」…実感がわきません。
「春季皇霊祭」→(現在では)「春分の日」
「曲水」…もはや形骸化している感じがします。
「絵踏」・「和蘭陀渡る」…「絵踏み」の句を見ることはあります。過去の事象と割り切って使うのであれば構わないとは思います。
「事始」・「春ごと」・「出替」・「春聯」・「寒食」・「柳の鬘」…実感がわきません。
「鶏合」…東南アジアの軍鶏を闘鶏が有名ですが賭博としての闘鶏は日本は禁じられています。むしろ「闘犬(高知県が有名)」や「闘牛(牛の角突き)」の方が馴染みがあるでしょうか。
「三月十日」…東京大空襲忌です。恥ずかしながら知りませんでした。
「日迎」・「十三詣」・「水口祭」…う〜ん、実感がわきません。
「渡り漁夫」…やや古びた感じのする季語です。当時の鰊漁を偲ぶよすがは、「鰊御殿」と「石狩挽歌」(詩;なかにし礼、曲;浜圭介)でしょうか。
2013年9月5日木曜日
【季語あれこれ⑥】
春の季語(地理) 「山笑ふ」
中国北宋の画家、郭熙(かくき)の『郭熙画譜』に四季の山それぞれの特長として「春山は淡冶(たんや)にして笑うが如く、夏山蒼翠として滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如し」に依るものです。
句作における使用頻度は、「山眠る」が最も多く、次に「山笑ふ」、「山滴る」・「山粧ふ」は少ないようです。
「山滴る」には別に「滴り」という夏の季語があります。
「山粧ふ」には別に「(山)紅葉」、「秋深し(秋闌)という秋の季語や、「錦秋の秋」という言葉があります。
「山笑ふ」を例にとると、①擬人化、②動詞を含むこと、③季語が内容を縛りやすい、などの特長があります。
擬人化は、リアリティーに乏しい曖昧な句となりがちです。
個人的には極力「擬人化」は避けています。
動詞を含むことは、俳句の器における表現にとって不利となりがちです。
一句の中に3、4以上の動詞・助動詞が入ると、冗長かつ説明的になります。
また季語のウェイトのため、季語に引き摺られた内容となりやすいことがあります。
上記のように、案外使いにくい季語かも知れません。ある程度の俳句力が必要かと思われます。
私は「山眠る」以外は使ったことがありません。擬人化という問題と、「山滴る」・「山粧ふ」を他の季語などとうまく使い分けが出来ないことによります。
春の季語(地理) 「山笑ふ」
中国北宋の画家、郭熙(かくき)の『郭熙画譜』に四季の山それぞれの特長として「春山は淡冶(たんや)にして笑うが如く、夏山蒼翠として滴るが如く、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として眠るが如し」に依るものです。
句作における使用頻度は、「山眠る」が最も多く、次に「山笑ふ」、「山滴る」・「山粧ふ」は少ないようです。
「山滴る」には別に「滴り」という夏の季語があります。
「山粧ふ」には別に「(山)紅葉」、「秋深し(秋闌)という秋の季語や、「錦秋の秋」という言葉があります。
「山笑ふ」を例にとると、①擬人化、②動詞を含むこと、③季語が内容を縛りやすい、などの特長があります。
擬人化は、リアリティーに乏しい曖昧な句となりがちです。
個人的には極力「擬人化」は避けています。
動詞を含むことは、俳句の器における表現にとって不利となりがちです。
一句の中に3、4以上の動詞・助動詞が入ると、冗長かつ説明的になります。
また季語のウェイトのため、季語に引き摺られた内容となりやすいことがあります。
上記のように、案外使いにくい季語かも知れません。ある程度の俳句力が必要かと思われます。
私は「山眠る」以外は使ったことがありません。擬人化という問題と、「山滴る」・「山粧ふ」を他の季語などとうまく使い分けが出来ないことによります。
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