【『俳壇』10月号より③】
〈平成俳人クロニクル 有手 勉〉
-新作10句『北の夏』-
・旱天や羊の乳を喇叭飲み
…大陸的な景の内容に、「旱天」の配合が見事です。
-自選 有手 勉50句-
・太鼓腹波打つてをり梅雨鯰
…この句も「梅雨鯰」が効果的に働いています。
〈若手作家トップランナー 堀本裕樹〉
-新作20句『流星の谺』-
・錆の浮く栓抜きひとつ盂蘭盆会
…盂蘭盆会のうら淋しさを、錆の浮いた栓抜きで表現しています。
・五寸釘打つ音の上の帰燕かな
…上手いですね。「音の上」が眼目です。
〈本阿弥ブックレビュー『出羽山河』庄司りつこ〉
(なし)
〈俳壇賞作家のいま 作品10句『小石ひとつ』勝又民樹〉
・紅き血を一点見せて目高浮く
…こうした景に見覚えがあり、懐かしさすら覚えます。
〈俳壇ワイド作品集『土用雀』鈴木しげを〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『辻廻し』小寺篤子〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『ブロンズの男』瀬尾千草〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『西国の島』畑中榮治〉
・農継がぬ子ばかり育て夕端居
…「夕端居」という落としどころが見事です。
〈俳壇ワイド作品集『鸛鶴』森 ちづる〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『そーダー水』嶌田岳人〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集『遠い夏』森村誠一〉
・唇を交わさぬままや花明かり
…想聞句の返句です。唇を交わしていないところがいいですね。「花明かり」をつい「花月夜」としてしまいそうですが、それでは凡となります。
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