【季語あれこれ②】
春の季語(時候①)
「寒明」、「早春」、「春浅し」、「冴返る」、「余寒」、「春寒」、「遅春」…
こうした初春の時候の使い分けは実際は難しいものがあります。これらは近似的要素を含んでいるからです。
これは春に限らずどの季節の移り変わりにも言えることですが、とりわけ初春には目立ちます。
晩冬から初春と移行しますが、晩冬は「寒」(「大寒」)に重なることが要因の一つです。また暦の上で「春」を迎えたという心理的要素も要因の一つです。
先ずは重要季語の一つである「冴返る」を使うことに慣れることが優先かと思います。
それからでも他の近似の関係にある季語を用いても遅くはありません。実際に句作すると、その季語の不安定さに気付くことが少なくありません。
「余寒」…用法を間違えやすい季語の一つです。
「余寒」の本意は、「寒」が明けてもまだ残る寒さがあるということです。
「余寒なほ」…下五によく見受けられます。歳時記の例句にも載っていますが、これは正しい用法ではありません。
「春寒」…傍題に「料峭」があります。「春寒料峭(シュンカンリョウショウ)」から来た言葉ですが、「春風が肌にうすら寒く感じられるさま」という意味です。
「料峭」を天文の季語として独立させても良い感じがしますが、上記の「春寒料峭」に依るところがあるのでしょう。
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