【湖南の旅②•俳聖を斬る】
目覚めたのが正午近く。
シャワーで熱湯と冷水を交互に浴び、部屋の掃除を最低限し、ド派手なスカジャンをはおり、フロワーラウンジでティラミスのケーキをエスプレッソのダブルで流し込み、いざ義仲寺へ。
わざとらしいとさえ思えるほどが、いいあんばいに時雨ています。破芭蕉が濡れながら軽い雨音を立てています。
うしろすがたのしぐれてゆくか 種田山頭火
しぐるるや駅に西口東口 安住 敦
いる、いる…俳句フリークが…句会もしています。
ざっと見て、大黒さんとフリートーク…
長谷川 櫂氏、茨木和生氏、黒田杏子氏などがよく来られるそうです。
まずはトイレの話から…義仲寺のトイレをチェックしたところ、殆どが洋式なのですが、以前に和式で事故(女性が立ち上がれない)があったとのこと…それ以来、洋式に替えたとのこと…いくらカッコつけてもこれでは身も蓋もありません。
参拝者の醸し出す雰囲気は、「神様、仏様、芭蕉様」といった具合です。
やや冷ややかにその景などを大黒さんに伝えると、えらく笑います(表面的ではなく、腹の底から)
次に清掃の話へと…庭からトイレに至るまで殆どは住職と大黒さんで行っており、年に2回庭師の方が来るのみとのことでした。
こうした住職や大黒さんの尽力があってはじめて、参拝出来ることを忘れないで欲しいと思います。
私の出来る範囲の御礼として、拙句集を寄贈することにしました。
嵐山光三郎氏の弁を代用しますが、芭蕉を神格化し「俳聖」と捉えてしまうと、逆に盲目となり、芭蕉という人間が見えなくなります。芭蕉は神ではありません。
これも嵐山光三郎氏の言葉ですが、「俳聖を斬る」くらいの距離感、同じ一個の人間として対峙する方が良いかも知れません。
義仲寺を出て、琵琶湖をクルージング…これから近江牛のステーキを食い、barで葡萄を「『次元』食い」し、湖南の旅を終えます。
旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 芭 蕉
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