【大晦日・謝恩】
大晦日です。
今、大分にいます。
午前中に本家に移動し、両親と3匹の犬と共に年を越します。
昨日は松江から大分までの移動で一日が終わりました。
とにかく人が多い。さながら「民族大移動」です。
次回から大型連休中の旅は避けることにします。
今年一年を振り返りますと…
拙句集を上梓したものの、その後は充電も兼ね俳句から遠ざかっていました。
いったん、俳句に携わっていない一般人の立場に身を置くことにしました。
創作活動も殆んどしていません。
そのため折角の原稿依頼を断ることもありました。
損得という問題とは別に、そうした好意に報いることが出来なかったことに対しては、一人の人間として忸怩たる思いがあります。
さて、本年元日から始めたこのブログですが、一年間で14.000強のご閲覧をいただきました。
結社などの所属もなく、他にリンクしていない、このささやかなブログを支えていただいた、日本はもとより世界の方々に厚く御礼申し上げます。
みなさま良いお年をお迎え下さい。
2013年12月31日火曜日
2013年12月30日月曜日
【なほ途上】
松江に三泊しましたが、一年に一度あるかないかという大雪に見まわれ、行動が制限されました。
まぁ、アクシデントも旅の良さです。何もかもガイド本やネットの情報通りになれば、面白くありません。
出雲蕎麦を毎日食べました。
3軒行き、2軒は「当たり」と感じました。
美味い店は「蕎麦湯」が美味い、「ルチン」が豊富です。
初めての店の場合、注文の前に蕎麦湯を飲むことをお勧めします。
関東などでは、先に「ざる蕎麦」などの冷たい蕎麦を、最後に「汁蕎麦」などの温かい蕎麦を食べると思いますが、出雲蕎麦では先に「釜あげ蕎麦」など温かい蕎麦を食べ、後で「割子蕎麦」などの冷たい蕎麦となります。
これは「酒」が主役か、「蕎麦」が主役かの違いによると思います。
本日は松江から福岡空港へ「高飛び」し、博多から日豊本線を下り大分に泊まります。
大分で俳句を始めましたが、もはや友人はいません。句会も参加しません。
「自由」の代償は払わねばなりません。
翌31日に本家に行き、年を越します。
これまで「紅白歌合戦」を最初から最後まで通して観たことがありませんが、今回はどうなることやら。
〈暗唱句〉
生活
〈歌留多〉
・日本の仮名美しき歌留多かな 後藤比奈夫 (☆)
・撥ね飛ばす一枚恋の歌がるた 加古宗也
〈羽子板〉
・大空に羽子の白妙とゞまれり 高浜虚子 (☆)
・羽子板の重きが嬉し突かで立つ 長谷川かの女
・その中に羽子打つ吾子の声澄めり 杉田久女
・つくたびにひろがるみ空羽子日和 鷹羽狩行
〈手毬〉
・手毬唄かなしきことをうつくしく 高浜虚子 (☆)
・降りだして雪あたたかき手毬唄 加藤楸邨
・手毬唄ここのつ十はさびしけれ 野村登四郎
・聞きほれて二度目はあはれ手毬唄 森 澄雄
重要季語33、暗唱句80です。
松江に三泊しましたが、一年に一度あるかないかという大雪に見まわれ、行動が制限されました。
まぁ、アクシデントも旅の良さです。何もかもガイド本やネットの情報通りになれば、面白くありません。
出雲蕎麦を毎日食べました。
3軒行き、2軒は「当たり」と感じました。
美味い店は「蕎麦湯」が美味い、「ルチン」が豊富です。
初めての店の場合、注文の前に蕎麦湯を飲むことをお勧めします。
関東などでは、先に「ざる蕎麦」などの冷たい蕎麦を、最後に「汁蕎麦」などの温かい蕎麦を食べると思いますが、出雲蕎麦では先に「釜あげ蕎麦」など温かい蕎麦を食べ、後で「割子蕎麦」などの冷たい蕎麦となります。
これは「酒」が主役か、「蕎麦」が主役かの違いによると思います。
本日は松江から福岡空港へ「高飛び」し、博多から日豊本線を下り大分に泊まります。
大分で俳句を始めましたが、もはや友人はいません。句会も参加しません。
「自由」の代償は払わねばなりません。
翌31日に本家に行き、年を越します。
これまで「紅白歌合戦」を最初から最後まで通して観たことがありませんが、今回はどうなることやら。
〈暗唱句〉
生活
〈歌留多〉
・日本の仮名美しき歌留多かな 後藤比奈夫 (☆)
・撥ね飛ばす一枚恋の歌がるた 加古宗也
〈羽子板〉
・大空に羽子の白妙とゞまれり 高浜虚子 (☆)
・羽子板の重きが嬉し突かで立つ 長谷川かの女
・その中に羽子打つ吾子の声澄めり 杉田久女
・つくたびにひろがるみ空羽子日和 鷹羽狩行
〈手毬〉
・手毬唄かなしきことをうつくしく 高浜虚子 (☆)
・降りだして雪あたたかき手毬唄 加藤楸邨
・手毬唄ここのつ十はさびしけれ 野村登四郎
・聞きほれて二度目はあはれ手毬唄 森 澄雄
重要季語33、暗唱句80です。
2013年12月28日土曜日
【角川『俳句』1月号より③(終)】
〈新年 精鋭作家競詠10句『マカロニ』神野紗希〉
・初空や伊豆の山葵のあさみどり
・すずしろや富士山はまだ若き山
〈新年 精鋭作家競詠10句『きらめく』堀本裕樹〉
・初春やくねりくねりと飴細工
〈新年 精鋭作家競詠10句『都鳥』糸屋和恵〉
・太箸や仮の住まひと思ひしを
〈新年 精鋭作家競詠10句『仁王立ち』平井岳人〉
・数の子の水替へやればいとほしき
・座布団の足らぬと騒ぐ年賀かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『首』宮本佳世乃〉
・霜の夜のいつかは止まる洗濯機
〈新年 精鋭作家競詠10句『正月の乱』谷 雄介〉
(なし)
〈新年 精鋭作家競詠10句『水辺』髙勢祥子〉
・初夢を反芻したる水辺かな
・腐蝕てふ工程があり寒椿
〈新年 精鋭作家競詠10句『初夢』堀田季何〉
・初夢の馬車馬打てば吾の声
〈新年 精鋭作家競詠10句『耳朶』津久井健之〉
・洟をかむ音すさまじき大旦
・渾身の力まなこに独楽を打つ
・菜の雫ちらし俎始かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『零時』西山ゆりこ〉
・湯冷めして手足遅れてついてくる
〈暗唱句〉
生活
〈春着〉
・人の着て魂なごみたる春着かな 飯田蛇笏
・膝に来て模様に満ちて春着の子 中村草田男
・九十年生きし春着の裾捌き 鈴木真砂女
・妙齢の春着音してにほひして 森 澄雄 (☆)
〈初湯〉
・初湯出し肉(ししむら)湯気をはなちけり 飯田蛇笏
・初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり 阿波野青畝
・ほと毛濃き農婦の初湯田を隔て 石川桂郎
・酒少し足して初湯を浴びにけり 角川春樹 (☆)
・雫して夫から妻へ初湯の子 長田群青
〈初便〉(なし)
重要季語30、暗唱句70です。
〈新年 精鋭作家競詠10句『マカロニ』神野紗希〉
・初空や伊豆の山葵のあさみどり
・すずしろや富士山はまだ若き山
〈新年 精鋭作家競詠10句『きらめく』堀本裕樹〉
・初春やくねりくねりと飴細工
〈新年 精鋭作家競詠10句『都鳥』糸屋和恵〉
・太箸や仮の住まひと思ひしを
〈新年 精鋭作家競詠10句『仁王立ち』平井岳人〉
・数の子の水替へやればいとほしき
・座布団の足らぬと騒ぐ年賀かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『首』宮本佳世乃〉
・霜の夜のいつかは止まる洗濯機
〈新年 精鋭作家競詠10句『正月の乱』谷 雄介〉
(なし)
〈新年 精鋭作家競詠10句『水辺』髙勢祥子〉
・初夢を反芻したる水辺かな
・腐蝕てふ工程があり寒椿
〈新年 精鋭作家競詠10句『初夢』堀田季何〉
・初夢の馬車馬打てば吾の声
〈新年 精鋭作家競詠10句『耳朶』津久井健之〉
・洟をかむ音すさまじき大旦
・渾身の力まなこに独楽を打つ
・菜の雫ちらし俎始かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『零時』西山ゆりこ〉
・湯冷めして手足遅れてついてくる
〈暗唱句〉
生活
〈春着〉
・人の着て魂なごみたる春着かな 飯田蛇笏
・膝に来て模様に満ちて春着の子 中村草田男
・九十年生きし春着の裾捌き 鈴木真砂女
・妙齢の春着音してにほひして 森 澄雄 (☆)
〈初湯〉
・初湯出し肉(ししむら)湯気をはなちけり 飯田蛇笏
・初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり 阿波野青畝
・ほと毛濃き農婦の初湯田を隔て 石川桂郎
・酒少し足して初湯を浴びにけり 角川春樹 (☆)
・雫して夫から妻へ初湯の子 長田群青
〈初便〉(なし)
重要季語30、暗唱句70です。
2013年12月27日金曜日
【角川『俳句』1月号より②】
〈新年詠12句『星辰』大石悦子〉
・星一つこぼさずに年逝きにけり
・あらたまのあらひたてなる海の星
〈新年詠12句『初筑波』今瀬剛一〉
・七草粥よりながながと芹の青
・買初の靴なり前途三千里
〈新年詠12句『大鴻』井上弘美〉
・炉火熾ん頭芋など抛り込み
・連峰は群青を濃くのつぺい汁
〈新年詠12句『源流』佐怒賀正美〉
・舌滑り易く酢牡蠣に歯を立つる
・浴油講続く世なりごろすけほう
〈新年詠12句『年移る』小川軽舟〉
・冬麗やシーツかわけば風はらむ
・女湯に天井つづく初湯かな
〈新年詠12句『言の葉』藺草慶子〉
・一椀の湯気ゆたかなりお元日
・すずなすずしろしづかに時のふりつもる
〈日本の俳人100 安西 篤句集『秋の道』〉
-新作7句『黙示録』-
・8の字を永遠と見し初景色
-『秋の道』自選20句抄-
・登高やみんな似てくる素老人
・垂直に人の死の来る寒夕焼け
〈Close Up 加藤耕子句集『夏至冬至』〉
-新作5句『榠樝照り』-
・月清し浜に伝ふる国ゆづり
-『夏至冬至』自選20句抄-
・仲麻呂の月に会ひたき夜光杯
・琉球の漆一滴実千両
〈暗唱句〉
生活
〈餅花〉
・餅花や不幸に慣るゝこと勿れ 中村草田男
・餅花のなだれんとして宙にあり 栗生純生 (☆)
・ささめごとめきて餅花揺れ交す 三村純也
〈左義長〉
・松飾いづこで焚くも地の厚み 神尾久美子
・どんどの火跳ねてふるさと逃げもせず 福田甲子雄 (☆)
・金の火と銀の煙や飾焚く 鷹羽狩行
・金箔の剥がれとびたる吉書揚 茨木和生
・どんど火の芯を恵方に引き倒す 伊藤浩子
〈獅子舞〉
・獅子舞に喜寿の結ひ髪噛ませけり 松本澄江 (☆)
重要季語27、暗唱句61です。
〈新年詠12句『星辰』大石悦子〉
・星一つこぼさずに年逝きにけり
・あらたまのあらひたてなる海の星
〈新年詠12句『初筑波』今瀬剛一〉
・七草粥よりながながと芹の青
・買初の靴なり前途三千里
〈新年詠12句『大鴻』井上弘美〉
・炉火熾ん頭芋など抛り込み
・連峰は群青を濃くのつぺい汁
〈新年詠12句『源流』佐怒賀正美〉
・舌滑り易く酢牡蠣に歯を立つる
・浴油講続く世なりごろすけほう
〈新年詠12句『年移る』小川軽舟〉
・冬麗やシーツかわけば風はらむ
・女湯に天井つづく初湯かな
〈新年詠12句『言の葉』藺草慶子〉
・一椀の湯気ゆたかなりお元日
・すずなすずしろしづかに時のふりつもる
〈日本の俳人100 安西 篤句集『秋の道』〉
-新作7句『黙示録』-
・8の字を永遠と見し初景色
-『秋の道』自選20句抄-
・登高やみんな似てくる素老人
・垂直に人の死の来る寒夕焼け
〈Close Up 加藤耕子句集『夏至冬至』〉
-新作5句『榠樝照り』-
・月清し浜に伝ふる国ゆづり
-『夏至冬至』自選20句抄-
・仲麻呂の月に会ひたき夜光杯
・琉球の漆一滴実千両
〈暗唱句〉
生活
〈餅花〉
・餅花や不幸に慣るゝこと勿れ 中村草田男
・餅花のなだれんとして宙にあり 栗生純生 (☆)
・ささめごとめきて餅花揺れ交す 三村純也
〈左義長〉
・松飾いづこで焚くも地の厚み 神尾久美子
・どんどの火跳ねてふるさと逃げもせず 福田甲子雄 (☆)
・金の火と銀の煙や飾焚く 鷹羽狩行
・金箔の剥がれとびたる吉書揚 茨木和生
・どんど火の芯を恵方に引き倒す 伊藤浩子
〈獅子舞〉
・獅子舞に喜寿の結ひ髪噛ませけり 松本澄江 (☆)
重要季語27、暗唱句61です。
2013年12月26日木曜日
【角川『俳句』1月号より①】
〈新年詠7句『藺草の筆』後藤比奈夫〉
・食積に草石蚕の紅のひそとあり
〈新年詠7句『冬眠』金子兜太〉
・六人産み長寿の母よ寒紅梅
〈新年詠7句『姨の声』津田清子〉
・濃霧中我証すもの何もなし
〈新年詠7句『初声』鷹羽狩行〉
・初声とおぼしき下をくぐりけり
〈新年詠7句『菅浦の冬』稲畑汀子〉
(なし)
〈新年詠7句『仏師の里の春』有馬朗人〉
(なし)
〈新年詠7句『春着』宇多喜代子〉
・手毬唄戦のことも唱いこむ
〈新年詠7句『元日』大峯あきら〉
(なし)
〈新年詠7句『ふくさ藁』小原啄葉〉
(なし)
〈新年詠7句『未踏の域』文挟夫佐恵〉
・凧失せし東京の空友何処(いづち)
〈新年詠7句『飴市-むかし塩市』宮坂静生〉
・飴市の飴が象(かたど)る塩叺
〈新年詠7句『遠山』深見けん二〉
・眉にある父の面影初鏡
〈新年詠7句『初髪』星野 椿〉
(なし)
〈新年詠7句『船印』友岡子郷〉
(なし)
〈新年詠7句『時間の光』和田悟朗〉
・山眠る下弦の月と金星と
〈新年詠7句『父在りき』池田澄子〉
・詩論には疎く干柿入り鱠
〈新年詠7句『東歌』鍵和田秞子〉
(なし)
〈新年詠7句『冬青(そよご)』矢島渚男〉
・遷宮の伊勢はるかなり守武忌
〈新年詠7句『雑煮椀二つ』黒田杏子〉
・東大の方よりきたる初鴉
〈新年詠7句『綿虫』大串 章〉
・牛小屋の奥まで夕日冬ぬくし
〈新年詠7句『初湯殿』茨木和生〉
・焼け焦げしところ剥がれて雑煮餅
〈新年詠7句『凍蝶』千原叡子〉
・凍雪を踏み砕きつつ訪ひぬ
〈新年詠7句『初富士』神蔵 器〉
(なし)
〈新年詠7句『福寿草』寺井谷子〉
(なし)
〈新年詠7句『冬菫』高野ムツオ〉
・草千里とは一枚の冬日差
〈新年詠7句『人類』長谷川 櫂〉
・青空に消えてふたたび羽子白く
〈暗唱句〉生活
〈初市〉
・初市や海鼠一籠隅にあり 青木月斗 (☆)
・初市の鯛売りしこゑ高めたり 大串 章
〈買初〉(なし)
〈七種〉
・七種やあまれどたらぬものも有り 千代女
・七種や生くるに訳の多すぎる 佐藤鬼房
・吹いて目のうるみそおもひ七種粥 鷹羽狩行 (☆)
重要季語24、暗唱句52です。
〈新年詠7句『藺草の筆』後藤比奈夫〉
・食積に草石蚕の紅のひそとあり
〈新年詠7句『冬眠』金子兜太〉
・六人産み長寿の母よ寒紅梅
〈新年詠7句『姨の声』津田清子〉
・濃霧中我証すもの何もなし
〈新年詠7句『初声』鷹羽狩行〉
・初声とおぼしき下をくぐりけり
〈新年詠7句『菅浦の冬』稲畑汀子〉
(なし)
〈新年詠7句『仏師の里の春』有馬朗人〉
(なし)
〈新年詠7句『春着』宇多喜代子〉
・手毬唄戦のことも唱いこむ
〈新年詠7句『元日』大峯あきら〉
(なし)
〈新年詠7句『ふくさ藁』小原啄葉〉
(なし)
〈新年詠7句『未踏の域』文挟夫佐恵〉
・凧失せし東京の空友何処(いづち)
〈新年詠7句『飴市-むかし塩市』宮坂静生〉
・飴市の飴が象(かたど)る塩叺
〈新年詠7句『遠山』深見けん二〉
・眉にある父の面影初鏡
〈新年詠7句『初髪』星野 椿〉
(なし)
〈新年詠7句『船印』友岡子郷〉
(なし)
〈新年詠7句『時間の光』和田悟朗〉
・山眠る下弦の月と金星と
〈新年詠7句『父在りき』池田澄子〉
・詩論には疎く干柿入り鱠
〈新年詠7句『東歌』鍵和田秞子〉
(なし)
〈新年詠7句『冬青(そよご)』矢島渚男〉
・遷宮の伊勢はるかなり守武忌
〈新年詠7句『雑煮椀二つ』黒田杏子〉
・東大の方よりきたる初鴉
〈新年詠7句『綿虫』大串 章〉
・牛小屋の奥まで夕日冬ぬくし
〈新年詠7句『初湯殿』茨木和生〉
・焼け焦げしところ剥がれて雑煮餅
〈新年詠7句『凍蝶』千原叡子〉
・凍雪を踏み砕きつつ訪ひぬ
〈新年詠7句『初富士』神蔵 器〉
(なし)
〈新年詠7句『福寿草』寺井谷子〉
(なし)
〈新年詠7句『冬菫』高野ムツオ〉
・草千里とは一枚の冬日差
〈新年詠7句『人類』長谷川 櫂〉
・青空に消えてふたたび羽子白く
〈暗唱句〉生活
〈初市〉
・初市や海鼠一籠隅にあり 青木月斗 (☆)
・初市の鯛売りしこゑ高めたり 大串 章
〈買初〉(なし)
〈七種〉
・七種やあまれどたらぬものも有り 千代女
・七種や生くるに訳の多すぎる 佐藤鬼房
・吹いて目のうるみそおもひ七種粥 鷹羽狩行 (☆)
重要季語24、暗唱句52です。
2013年12月24日火曜日
【大掃除-邪道編】
年は詰まり、今年も残すとこ1週間です。
大掃除を控えている方も少なくないでしょう。
「大掃除」といっても、何もはたきや雑巾掛が主ではないかも知れません。
まず「ものを捨てる」ことから大掃除は始まると思います。
部屋をひっくり返しても「もの」が溢れているならば、その効果は半減します。
私は断捨離を得手?としています。
親子でも母は不得手で、それらの整理も出来ません。
今回は先ず家庭用ゲーム機とソフト、DVD等を全て捨てました。
古いPCの場合、本体は捨てませんが、周辺機器は全て捨てました。
使わなくなったスピーカーも捨てるつもりです。
本も雑誌も捨てます。
全く読んでいない小説があっても新書のまま捨てます。次々と刊行される新しいものに対応しなければなりません。
捨てるもので仮に必要となった場合、買い戻せるならそれで良しと考えています。
身ほとりのものは片っ端から捨てていきます。
時には精神の器である身体までも捨てそうになります。
えつ!、部屋の掃除ですか…数年で賃貸のマンションを移ります(広島でも2回目)ので、その際に部屋の塵や汚れを全て旧居に残し、新居に移ります。
まぁ、鰥夫の生活はこんなものです…
〈暗唱句〉
時候〈小正月〉
・時かけて生木燃えだす小正月 廣瀬直人 (☆)
生活
・ 吉書して墨の匂ひのちりぬるを 山田みづえ (☆)
年は詰まり、今年も残すとこ1週間です。
大掃除を控えている方も少なくないでしょう。
「大掃除」といっても、何もはたきや雑巾掛が主ではないかも知れません。
まず「ものを捨てる」ことから大掃除は始まると思います。
部屋をひっくり返しても「もの」が溢れているならば、その効果は半減します。
私は断捨離を得手?としています。
親子でも母は不得手で、それらの整理も出来ません。
今回は先ず家庭用ゲーム機とソフト、DVD等を全て捨てました。
古いPCの場合、本体は捨てませんが、周辺機器は全て捨てました。
使わなくなったスピーカーも捨てるつもりです。
本も雑誌も捨てます。
全く読んでいない小説があっても新書のまま捨てます。次々と刊行される新しいものに対応しなければなりません。
捨てるもので仮に必要となった場合、買い戻せるならそれで良しと考えています。
身ほとりのものは片っ端から捨てていきます。
時には精神の器である身体までも捨てそうになります。
えつ!、部屋の掃除ですか…数年で賃貸のマンションを移ります(広島でも2回目)ので、その際に部屋の塵や汚れを全て旧居に残し、新居に移ります。
まぁ、鰥夫の生活はこんなものです…
〈暗唱句〉
時候〈小正月〉
・時かけて生木燃えだす小正月 廣瀬直人 (☆)
生活
〈年賀〉
・長松が親の名で来る御慶かな 野 坡
・子供まづ走り込み来て年賀客 深見けん二 (☆)
・どつと来てどつと立ち去る御慶かな 山田みづえ
〈書初〉
重要季語21、暗唱句47です。いったん時候を終わり、生活・行事を済ませます。
2013年12月23日月曜日
【旅の前にて】
Twitterを見ると皆も慌ただしそうですが、どこかほっとしているチンケな自分がいます。
12/27から山陰に旅に出ます。
タイト・スケジュールの旅は禁物です。
今回は出雲大社や米子周辺は全て削り、松江に絞りました。
JRで広島から松江に行くには、一旦新幹線で岡山まで行き、それから特急で向かうしかありません。
以前は広島空港から小型飛行機がありました。背骨のような中国山脈を横断していました。今は廃線です。
12/30に松江から1/2までは大分で過ごし、本家で年を越します。
ところで今の私は「日焼マシーン」のおかけで「ガングロ」です。髪は「EXILEもどき」がまだ戻っていません。剃り落とした眉はまだ生え揃っていません。
このままでは親が泣くことは必至です。
「日焼マシーン」を控え、散髪し、少しでも誤魔化したいと思います。
親孝行など立派なことは考えていません。これまでの親不孝の帳消しほどです。
次の旅は山形-新潟-富山-石川(-京都-滋賀)を考えています。
その後に北海道を予定しています。
そろそろ私の俳句の休息時間も終りです。作句を再開します。
リハビリを兼ねローギアから発進します。
旅と並行しますので、旅先のホテルで夜な夜な唸ることがあるかも知れません。
さしあたり荷物が増えるのが悩みの種です。
スポーツ・ジムは目的でなく手段ですので、気楽にやっていきます。
〈暗唱句〉
時候〈元日〉
・元日やうつはの水も伊勢の海 蓼 太
・元日や手を洗ひをる夕ごころ 芥川龍之介
・いのちなりけり元旦の粥に膜ながれ 能村登四郎
・撫でて在る目のたま久し大旦 三橋敏雄
・波寄せて詩歌の国や大旦 大谷弘至 (☆)
生活
〈屠蘇祝ふ〉
・屠蘇酌むや光琳の鶴啼かんとす 室生犀星 (☆)
Twitterを見ると皆も慌ただしそうですが、どこかほっとしているチンケな自分がいます。
12/27から山陰に旅に出ます。
タイト・スケジュールの旅は禁物です。
今回は出雲大社や米子周辺は全て削り、松江に絞りました。
JRで広島から松江に行くには、一旦新幹線で岡山まで行き、それから特急で向かうしかありません。
以前は広島空港から小型飛行機がありました。背骨のような中国山脈を横断していました。今は廃線です。
12/30に松江から1/2までは大分で過ごし、本家で年を越します。
ところで今の私は「日焼マシーン」のおかけで「ガングロ」です。髪は「EXILEもどき」がまだ戻っていません。剃り落とした眉はまだ生え揃っていません。
このままでは親が泣くことは必至です。
「日焼マシーン」を控え、散髪し、少しでも誤魔化したいと思います。
親孝行など立派なことは考えていません。これまでの親不孝の帳消しほどです。
次の旅は山形-新潟-富山-石川(-京都-滋賀)を考えています。
その後に北海道を予定しています。
そろそろ私の俳句の休息時間も終りです。作句を再開します。
リハビリを兼ねローギアから発進します。
旅と並行しますので、旅先のホテルで夜な夜な唸ることがあるかも知れません。
さしあたり荷物が増えるのが悩みの種です。
スポーツ・ジムは目的でなく手段ですので、気楽にやっていきます。
〈暗唱句〉
時候〈元日〉
・元日やうつはの水も伊勢の海 蓼 太
・元日や手を洗ひをる夕ごころ 芥川龍之介
・いのちなりけり元旦の粥に膜ながれ 能村登四郎
・撫でて在る目のたま久し大旦 三橋敏雄
・波寄せて詩歌の国や大旦 大谷弘至 (☆)
生活
〈屠蘇祝ふ〉
・屠蘇酌むや光琳の鶴啼かんとす 室生犀星
〈雑煮祝ふ〉
・殖えてまた減りゆく家族雑煮食ふ 大橋桜坡子 (☆)
・煮こぼれてひとりに余る雑煮かな 角川春樹
・馴染むとは好きになること味噌雑煮 西村和子
重要季語18、暗唱句42です。
2013年12月22日日曜日
【句集『七十二候』五十嵐義知(邑書林)】
五十嵐氏より句集を戴きました。15年間の集大成334句が六章に収めています。
佳句が並びます。
その全てを紹介することはできませんが、特に印象に残った句を16句紹介します。
好みの個人差はあれど、私の実力を反映していることは否定しません。
・竿燈を差し手へ渡すあはひかな
・島国の曲線に沿うつばくらめ
・北国へ向かふ線路や星祭
・路地抜けて祭の中に出でにけり
・日食やでで虫あまた通り過ぐ
・銀漢のまぢかき山の祈禱かな
・白き柄の飛び出してをり茸籠
・竈猫目つむるままに運ばるる
・落人の谷やあまたの蟬の殻
・手のひらに月降りてくる風の盆
・群れ飛んで群を離るるあきつかな
・風強く吹きたる後の竹を伐る
・北国の北に国あり雁渡し
・寒鱈の尾の納まりし社殿かな
・この川を渡る術あり蝸牛
・天守閣までいつくかの落し文
〈暗唱句〉
時候〈去年今年〉
・去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子 (☆)
・埋火の生きてつなぎぬ去年今年 森 澄雄
生活
〈蓬莱〉
・蓬莱に聞かばや伊勢の初便 芭 蕉
・蓬莱や東にひらく伊豆の海 水原秋桜子 (☆)
〈鏡餅〉
・鏡餅暗きところに割れて座す 西東三鬼 (☆)
重要季語15、暗唱句33です。
五十嵐氏より句集を戴きました。15年間の集大成334句が六章に収めています。
佳句が並びます。
その全てを紹介することはできませんが、特に印象に残った句を16句紹介します。
好みの個人差はあれど、私の実力を反映していることは否定しません。
・竿燈を差し手へ渡すあはひかな
・島国の曲線に沿うつばくらめ
・北国へ向かふ線路や星祭
・路地抜けて祭の中に出でにけり
・日食やでで虫あまた通り過ぐ
・銀漢のまぢかき山の祈禱かな
・白き柄の飛び出してをり茸籠
・竈猫目つむるままに運ばるる
・落人の谷やあまたの蟬の殻
・手のひらに月降りてくる風の盆
・群れ飛んで群を離るるあきつかな
・風強く吹きたる後の竹を伐る
・北国の北に国あり雁渡し
・寒鱈の尾の納まりし社殿かな
・この川を渡る術あり蝸牛
・天守閣までいつくかの落し文
〈暗唱句〉
時候〈去年今年〉
・去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子 (☆)
・埋火の生きてつなぎぬ去年今年 森 澄雄
生活
〈蓬莱〉
・蓬莱に聞かばや伊勢の初便 芭 蕉
・蓬莱や東にひらく伊豆の海 水原秋桜子 (☆)
〈鏡餅〉
・鏡餅暗きところに割れて座す 西東三鬼 (☆)
重要季語15、暗唱句33です。
2013年12月20日金曜日
【日焼マシーン】
ようやく80枚の年賀状を書き終えました。次からは印刷所に頼ります。
あとは戴いた句集と角川『俳句』を読めば、年が迎えられます。
すぐに旅に出ますので、慌ただしさは続きますが…
さすがに無理を感じ、1/2〜1/6の鳥取への旅は延期しました。
スポーツ・ジムで日焼マシーンを使っています。
日焼マシーンに挟まれた私は、さながらトーストのようです。
「松崎しげる」氏ほど黒くなろうとは思いませんが、確かにUVにより外見上多少精悍に見え、免疫力は高まり(風邪を引きません)、概日リズムも正常化しています。
非24時間睡眠のような睡眠障害の治療にもUV照射(顔のみ、日焼はしません)は行われます。
スポーツ・ジムでは今年は、日焼マシーン・ストレッチ・水中ウォーキング・サウナの範囲に止めておきます。
来年からエアロ・バイクから徐々にこなし、「年齢相応の健康」を取り戻すつもりです。
飯が美味くなりましたが、食べ過ぎには注意しています。
それでは行ってきます。Good job !
〈暗唱句〉
生活〈注連飾〉
・輪飾や歯朶そりかへる日の表 高田蝶衣
・尾をすこしはねあげ注連を飾りけり 高井北杜 (☆)
動物〈初鴉〉
ようやく80枚の年賀状を書き終えました。次からは印刷所に頼ります。
あとは戴いた句集と角川『俳句』を読めば、年が迎えられます。
すぐに旅に出ますので、慌ただしさは続きますが…
さすがに無理を感じ、1/2〜1/6の鳥取への旅は延期しました。
スポーツ・ジムで日焼マシーンを使っています。
日焼マシーンに挟まれた私は、さながらトーストのようです。
「松崎しげる」氏ほど黒くなろうとは思いませんが、確かにUVにより外見上多少精悍に見え、免疫力は高まり(風邪を引きません)、概日リズムも正常化しています。
非24時間睡眠のような睡眠障害の治療にもUV照射(顔のみ、日焼はしません)は行われます。
スポーツ・ジムでは今年は、日焼マシーン・ストレッチ・水中ウォーキング・サウナの範囲に止めておきます。
来年からエアロ・バイクから徐々にこなし、「年齢相応の健康」を取り戻すつもりです。
飯が美味くなりましたが、食べ過ぎには注意しています。
それでは行ってきます。Good job !
〈暗唱句〉
生活〈注連飾〉
・輪飾や歯朶そりかへる日の表 高田蝶衣
・尾をすこしはねあげ注連を飾りけり 高井北杜 (☆)
動物〈初鴉〉
・雪山の大白妙に初烏 田村木国 (☆)
植物〈薺〉
・まな板に旭さすなり芹薺 泉 鏡花 (☆)
・明け方に降りたる雪の薺摘む 田村木国
・俎(まないた)に薺のあとの匂ひかな 内藤鳴雪
・吹けば窪みてさみどりのなづな粥 鷹羽狩行
重要季語12、暗唱句28です。いったん動物と植物を終わりとします。
2013年12月19日木曜日
【『俳壇』1月号より③(終)】
〈現代作家の窓 『木枯』〉
・マスクして少し弱気になってをり
〈現代作家の窓 『晩秋』〉
・管の身へ種ごと通すあけびの実
…作者は胃瘻などの経腸(経管)栄養です。
〈現代作家の窓 『模型』佐藤詔子〉
・いなつるび骨のうねりを見てしまう
…「いなつるび」の「つるび」は「交む」のことです。性交の様子と思われます。
〈現代作家の窓 『武田巨子』〉
・瑠璃の風渡る水面や冬立てり
〈現代作家の窓 『水烟る』中村 遙〉
・子宮もつ憂さあり鮞を啜る
…「ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき 桂 信子」を連想します。
〈現代作家の窓 『秋の磯』松田ナツ〉
・鮭汁の売り切れてゐる昼の月
〈現代作家の窓 『小春の日』山本美沙〉
・泣き癖の雲せまり来る一茶の忌
〈競詠・新句集の人々『初詣』大久保白村〉
・御降や大和言葉の美しく
〈競詠・新句集の人々『冬わらび』沖田泰子〉
・月白や沖弁当の狐色
〈競詠・新句集の人々『白き書』品川利枝〉
・文化の日柿捥ぎロボットまだできず
〈競詠・新句集の人々『小鳥来る』清水里子〉
・やさしさに本音ぽろりと木の葉髪
〈暗唱句〉
時候〈正月〉
・正月や胼の手洗ふねんごろに 杉田久女
・正月や楷書のごとき山の晴れ 林 徹
・正月の雪真清水の中へ落つ 廣瀬直人 (☆)
天文〈初日〉
・大濤にをどり現れ初日の出 高浜虚子 (☆)
・大初日海離れんとしてゆらぐ 上村占魚
・玉の緒の今こそ真紅初日いづ 千代田葛彦
地理〈初富士〉
・夕まで初富士のある籬かな 松本たかし (☆)
・初富士やさかさにかかる梯子乗 吉田冬葉
・初富士の裾野入れたる海の音 中原道夫
重要季語9、暗唱句21です。いったん天文と地理は終わりとします。
〈現代作家の窓 『木枯』〉
・マスクして少し弱気になってをり
〈現代作家の窓 『晩秋』〉
・管の身へ種ごと通すあけびの実
…作者は胃瘻などの経腸(経管)栄養です。
〈現代作家の窓 『模型』佐藤詔子〉
・いなつるび骨のうねりを見てしまう
…「いなつるび」の「つるび」は「交む」のことです。性交の様子と思われます。
〈現代作家の窓 『武田巨子』〉
・瑠璃の風渡る水面や冬立てり
〈現代作家の窓 『水烟る』中村 遙〉
・子宮もつ憂さあり鮞を啜る
…「ふところに乳房ある憂さ梅雨ながき 桂 信子」を連想します。
〈現代作家の窓 『秋の磯』松田ナツ〉
・鮭汁の売り切れてゐる昼の月
〈現代作家の窓 『小春の日』山本美沙〉
・泣き癖の雲せまり来る一茶の忌
〈競詠・新句集の人々『初詣』大久保白村〉
・御降や大和言葉の美しく
〈競詠・新句集の人々『冬わらび』沖田泰子〉
・月白や沖弁当の狐色
〈競詠・新句集の人々『白き書』品川利枝〉
・文化の日柿捥ぎロボットまだできず
〈競詠・新句集の人々『小鳥来る』清水里子〉
・やさしさに本音ぽろりと木の葉髪
〈暗唱句〉
時候〈正月〉
・正月や胼の手洗ふねんごろに 杉田久女
・正月や楷書のごとき山の晴れ 林 徹
・正月の雪真清水の中へ落つ 廣瀬直人 (☆)
天文〈初日〉
・大濤にをどり現れ初日の出 高浜虚子 (☆)
・大初日海離れんとしてゆらぐ 上村占魚
・玉の緒の今こそ真紅初日いづ 千代田葛彦
地理〈初富士〉
・夕まで初富士のある籬かな 松本たかし (☆)
・初富士やさかさにかかる梯子乗 吉田冬葉
・初富士の裾野入れたる海の音 中原道夫
重要季語9、暗唱句21です。いったん天文と地理は終わりとします。
2013年12月18日水曜日
【『俳壇』1月号より②】
〈俳壇賞作家のいま 作品10句 『羽風山茶花』鳥居真里子〉
・雪来るか寝くたれの髪かきあげて
・とろ火とろとろふくろふのよく鳴くよ
〈俳壇ワイド作品集 『水影』清水道子〉
・短日や小道具走る舞台裏
〈俳壇ワイド作品集 『つはぶき』清水雅子〉
・秋惜しむ金箔浮かぶ酒を酌み
・つはぶきや父母なき家の鍵開けて
〈俳壇ワイド作品集 『冬に入る』刈米育子〉
・冬うらら比叡山(ひえい)を盾に京の町
〈俳壇ワイド作品集 『初雀』藤島咲子〉
・昼過ぎの光をひきて小鴨現る
…「現る」はおそらく「ある」と読むのでしょうが、ルビが必要かも知れません。
〈俳壇ワイド作品集 『新松子』中村洋子〉
・納屋のものみな出してをり冬支度
・大根蒔く畝一段と高くして
〈俳壇ワイド作品集 『初稽古』篠遠良子〉
・メガフォンのことばうやむや年籠
〈俳壇ワイド作品集 『実南天』保坂敏子〉
・雪が来る樅が檜にささやけば
〈本阿弥ブックレビュー 『晴朗』仁尾正文〉
・晴朗にして風強き建国日
・クレーンを高みに畳み年を越す
〈暗唱句〉
生活〈門松〉(なし)
動物〈嫁が君〉
・どこからか日のさす閨や嫁が君 村上鬼城
・ぬば玉の閨かいまみぬ嫁が君 芝 不器男
・ぬばたまのまなこといへば嫁が君 鷹羽修行 (☆)
・嫁が君父の家いま兄の家 辻田克巳
植物〈福寿草〉
・日のあたる窓の障子や福寿草 永井荷風
・福寿草雪をかぶりて金ほのか 山口青邨
・妻の座の日向ありけり福寿草 石田波郷 (☆)
重要季語6、暗唱句12です。
〈俳壇賞作家のいま 作品10句 『羽風山茶花』鳥居真里子〉
・雪来るか寝くたれの髪かきあげて
・とろ火とろとろふくろふのよく鳴くよ
〈俳壇ワイド作品集 『水影』清水道子〉
・短日や小道具走る舞台裏
〈俳壇ワイド作品集 『つはぶき』清水雅子〉
・秋惜しむ金箔浮かぶ酒を酌み
・つはぶきや父母なき家の鍵開けて
〈俳壇ワイド作品集 『冬に入る』刈米育子〉
・冬うらら比叡山(ひえい)を盾に京の町
〈俳壇ワイド作品集 『初雀』藤島咲子〉
・昼過ぎの光をひきて小鴨現る
…「現る」はおそらく「ある」と読むのでしょうが、ルビが必要かも知れません。
〈俳壇ワイド作品集 『新松子』中村洋子〉
・納屋のものみな出してをり冬支度
・大根蒔く畝一段と高くして
〈俳壇ワイド作品集 『初稽古』篠遠良子〉
・メガフォンのことばうやむや年籠
〈俳壇ワイド作品集 『実南天』保坂敏子〉
・雪が来る樅が檜にささやけば
〈本阿弥ブックレビュー 『晴朗』仁尾正文〉
・晴朗にして風強き建国日
・クレーンを高みに畳み年を越す
〈暗唱句〉
生活〈門松〉(なし)
動物〈嫁が君〉
・どこからか日のさす閨や嫁が君 村上鬼城
・ぬば玉の閨かいまみぬ嫁が君 芝 不器男
・ぬばたまのまなこといへば嫁が君 鷹羽修行 (☆)
・嫁が君父の家いま兄の家 辻田克巳
植物〈福寿草〉
・日のあたる窓の障子や福寿草 永井荷風
・福寿草雪をかぶりて金ほのか 山口青邨
・妻の座の日向ありけり福寿草 石田波郷 (☆)
重要季語6、暗唱句12です。
2013年12月17日火曜日
【『俳壇』1月号より①・暗唱句-新年】
〈新春巻頭作品7句『流れ行く時』有馬朗人〉
・簫火に静もる波や神の旅
…簫火により白波や沖のうねりはよく見える筈ですが、視覚が働くことにより波の音すなわち聴覚は抑制され、「静か」と感じるかも知れません。
〈新春巻頭作品7句『初日』今瀬剛一〉
・初電話この波音を聞けといふ
…電話口の相手は子や孫ではなく、おそらく旅行先の友人でしょう。電話を介し、その場にいるような感覚を頂戴するかのようです。淑気に満ち新年詠に相応しいと思います。
〈新春巻頭作品7句『初御空』鍵和田秞子〉
・落葉ながら白磁売らるる光かな
〈新春巻頭作品7句『武蔵野に』金子兜太〉
・隣の家赫ッと陽当り実千両
…中七から下五へと躍動的なリズム感があります。さながら「値千両」と言っているようで、俳諧の談林派を連想します。
〈新春巻頭作品7句『アンパンマン』坪内稔典〉
・鳥籠は空っぽ正月の老人も
〈新春巻頭作品7句『草石蚕』行方克巳〉
・猿曳きのづけづけと世を断じたる
…諧謔が効いています。「この猿曳きめが」、「猿曳きの分際で」などと怒号が聞こえてきそうです。
〈新春巻頭作品7句『船宿す』原 和子〉
・国振りの岩海苔かさと音立つる
…小潮(新月)の頃の岩礁でしょうか。岩礁に付着し乾燥した岩海苔の景が見えてきます。
〈新春巻頭作品7句『百歳目指せ』松本 旭〉
・初凧を揚げよ嫡孫婚約す
〈新春巻頭作品7句『自在鉤』黛 執〉
・二日はや畦より上がる老いの声
〈新春巻頭作品7句『輪飾』山本洋子〉
・みどり子を置いて大根引きにゆく
…「みどり子」と大根の色の対比にとどまらず、畑であらたな「みどり子」を産むかのようです。
〈俳句と随想十二ヶ月・一月『敗荷』安立公彦〉
・相寄りて夕日浴びゐる木守柿
〈俳句と随想十二ヶ月・一月『記憶』渡辺純枝〉
・猪罠を掛けて山門しづかなり
〈暗唱句-新年〉
時候〈新年〉
・年いよよ水のごとくに迎ふかな 大野林火
・初空へさし出す獅子の首(かしら)かな 一 茶 (☆)
地理〈初景色〉
・たちまちに火の海となり初景色 鷹羽狩行 (☆)
重要季語3、暗唱句5です。
〈新春巻頭作品7句『流れ行く時』有馬朗人〉
・簫火に静もる波や神の旅
…簫火により白波や沖のうねりはよく見える筈ですが、視覚が働くことにより波の音すなわち聴覚は抑制され、「静か」と感じるかも知れません。
〈新春巻頭作品7句『初日』今瀬剛一〉
・初電話この波音を聞けといふ
…電話口の相手は子や孫ではなく、おそらく旅行先の友人でしょう。電話を介し、その場にいるような感覚を頂戴するかのようです。淑気に満ち新年詠に相応しいと思います。
〈新春巻頭作品7句『初御空』鍵和田秞子〉
・落葉ながら白磁売らるる光かな
〈新春巻頭作品7句『武蔵野に』金子兜太〉
・隣の家赫ッと陽当り実千両
…中七から下五へと躍動的なリズム感があります。さながら「値千両」と言っているようで、俳諧の談林派を連想します。
〈新春巻頭作品7句『アンパンマン』坪内稔典〉
・鳥籠は空っぽ正月の老人も
〈新春巻頭作品7句『草石蚕』行方克巳〉
・猿曳きのづけづけと世を断じたる
…諧謔が効いています。「この猿曳きめが」、「猿曳きの分際で」などと怒号が聞こえてきそうです。
〈新春巻頭作品7句『船宿す』原 和子〉
・国振りの岩海苔かさと音立つる
…小潮(新月)の頃の岩礁でしょうか。岩礁に付着し乾燥した岩海苔の景が見えてきます。
〈新春巻頭作品7句『百歳目指せ』松本 旭〉
・初凧を揚げよ嫡孫婚約す
〈新春巻頭作品7句『自在鉤』黛 執〉
・二日はや畦より上がる老いの声
〈新春巻頭作品7句『輪飾』山本洋子〉
・みどり子を置いて大根引きにゆく
…「みどり子」と大根の色の対比にとどまらず、畑であらたな「みどり子」を産むかのようです。
〈俳句と随想十二ヶ月・一月『敗荷』安立公彦〉
・相寄りて夕日浴びゐる木守柿
〈俳句と随想十二ヶ月・一月『記憶』渡辺純枝〉
・猪罠を掛けて山門しづかなり
〈暗唱句-新年〉
時候〈新年〉
・年いよよ水のごとくに迎ふかな 大野林火
・歳明くる濤音国の四方つゝむ 長谷川素逝
・年迎ふ山河それぞれ位置につき 鷹羽狩行 (☆)
天文〈初空〉
天文〈初空〉
・初空へさし出す獅子の首(かしら)かな 一 茶 (☆)
地理〈初景色〉
・たちまちに火の海となり初景色 鷹羽狩行 (☆)
重要季語3、暗唱句5です。
2013年12月16日月曜日
【年の瀬にて】
何かと慌ただしい今日この頃です。
ただ実際のところ対象は茫漠とし、焦点が定まっていません。
そのくせ確たるものがないまま他に触手を伸ばしています。
街の喧騒が焦燥感に拍車をかけます。
スポーツ・ジムや節煙?(ニコチン・ガム)も要因のひとつかも知れません。
それまでの精神と肉体の平衡状態に揺らぎを起こします。
ジムも節煙?も本来目的ではなく手段に過ぎません。
冷静さを欠き、感情が先走ります。
集中力は散漫で、どれも消化不良のまま、本来優先すべきことは溜まり、そして己の不甲斐なさに憤りを感じます。
年の瀬の慌ただしさも落ち着かぬまま、年末年始に突入します。
今年は景気の回復感と年末年始の大型連休により、旅行業界が潤っています。
さながら「民族大移動」となることでしょう。
今回はその「民族大移動」に多少なり触れることになります。
山陰→豊後→山陰と計11日の旅を敢行します。
旅行(travel,visit)と居住(live,inhabit)は異なるものです。
旅とはそういうものだと割り切って出かけています。
旅で大事なことはまず体感することと、できれば「その地の大気」(atmosphere)に触れることかと思います。
「悪だくみ」も含め触手を伸ばさず、やれることから片付けてゆくしかありません。
何かと慌ただしい今日この頃です。
ただ実際のところ対象は茫漠とし、焦点が定まっていません。
そのくせ確たるものがないまま他に触手を伸ばしています。
街の喧騒が焦燥感に拍車をかけます。
スポーツ・ジムや節煙?(ニコチン・ガム)も要因のひとつかも知れません。
それまでの精神と肉体の平衡状態に揺らぎを起こします。
ジムも節煙?も本来目的ではなく手段に過ぎません。
冷静さを欠き、感情が先走ります。
集中力は散漫で、どれも消化不良のまま、本来優先すべきことは溜まり、そして己の不甲斐なさに憤りを感じます。
年の瀬の慌ただしさも落ち着かぬまま、年末年始に突入します。
今年は景気の回復感と年末年始の大型連休により、旅行業界が潤っています。
さながら「民族大移動」となることでしょう。
今回はその「民族大移動」に多少なり触れることになります。
山陰→豊後→山陰と計11日の旅を敢行します。
旅行(travel,visit)と居住(live,inhabit)は異なるものです。
旅とはそういうものだと割り切って出かけています。
旅で大事なことはまず体感することと、できれば「その地の大気」(atmosphere)に触れることかと思います。
「悪だくみ」も含め触手を伸ばさず、やれることから片付けてゆくしかありません。
2013年12月15日日曜日
【悪だくみ】
「排毒エステ」により全身倦怠感はありますが、頭はすっきりしています。
すると脳に余裕ができ、妙な悪だくみが頭をもたげます。
悪だくみをすれば、結局は自分に火の粉が降りかかってきます。エネルギーを浪費します。
創作に対する、私に残された物理的な時間は限られています。
70才までのおよその計画はありますが、それでも何らかのアクシデントで中断する可能性はあります。その時はその時なりに対処するつもりです。
計画が成就すれば、潔く俳句を止めます。老兵は静かに去るのみ、というのが己の人生に対する美学です。
スポーツジムに通っているのは、計画を成就するためです。
そうした計画を意識していても、余裕が出来るとつい悪だくみが頭をもたげます。
こどもの邪気が消えないとも言えますが、脳髄の芯から悪なるものに沁みているとも言えます。
心の芯にまで「排毒」はとどきません。とどくならば「洗脳」というか、そもそも本人にアイデンティティーが確立していないのでしょう。
今日も悪だくみの一歩を踏み出しました。
ただ自己嫌悪の感が残るのがせめてもの救いでしょうか。
「排毒エステ」により全身倦怠感はありますが、頭はすっきりしています。
すると脳に余裕ができ、妙な悪だくみが頭をもたげます。
悪だくみをすれば、結局は自分に火の粉が降りかかってきます。エネルギーを浪費します。
創作に対する、私に残された物理的な時間は限られています。
70才までのおよその計画はありますが、それでも何らかのアクシデントで中断する可能性はあります。その時はその時なりに対処するつもりです。
計画が成就すれば、潔く俳句を止めます。老兵は静かに去るのみ、というのが己の人生に対する美学です。
スポーツジムに通っているのは、計画を成就するためです。
そうした計画を意識していても、余裕が出来るとつい悪だくみが頭をもたげます。
こどもの邪気が消えないとも言えますが、脳髄の芯から悪なるものに沁みているとも言えます。
心の芯にまで「排毒」はとどきません。とどくならば「洗脳」というか、そもそも本人にアイデンティティーが確立していないのでしょう。
今日も悪だくみの一歩を踏み出しました。
ただ自己嫌悪の感が残るのがせめてもの救いでしょうか。
2013年12月14日土曜日
【全身排毒エステ】
右膝関節のリハビリを目的に、ここ3日間スポーツクラブに通っています。
ストレッチと水中ウォーキングが主体ですが、何とか右膝関節痛は軽減しています。
膝のサポーターを外し、日常生活の支障が軽くなりました。
スポーツクラブに行くと、あれやこれやと買うはめになります。
昨日はよく原理が分からない、全身検査を受けました。
当初は冷やかしのつもりでしたが、ちゃっかりお金を払うはめになりました。
今日は全身排毒エステなるものを受けることになりました。
これも当初は冷やかし半分、話のネタ半分の気分でした。
そもそもエステ自体が初体験です。
全身にサランラップを巻かれ、さらに遠赤外線のマットで2時間強包まれます。
ファラオのようなミイラを連想します。
動くと怒られますし、実際にはマットで体が緊縛されているので動けません。
補水するにもストローで飲ませてもらうしかありません。
遠赤外線で私の体はじわじわと焙られます。
熱い!と訴えても、「それは血流が悪いから…」の一言で処理されます。
さながら食材の魚か肉の「包み焼」です。
それからオイルマッサージです。こうなるともはや「照り焼」です。
しかも今日はアルコールを摂取してはならないとのこと。
昨日もビールを飲んでいません…とほほ…
このエステは約2、3時間マラソン程度の疲労があるそうです。
当初はそう自覚がありませんでしたが、今はずしりとした疲労感があります。
今日は朝から夕までスポーツジムに費やし、デスクワークは殆ど何もしていません。
全身から全ての毒を除去できたか?…「お決まりのオチ」です。
「このエステを10日に1度続けていきましょう」…ええかんげんにせぇ!わしゃ「有閑マダム」とちゃうでぇ!
精神と肉体のバランス…言うが易し、行うが難し…なかなか難しいですね。
右膝関節のリハビリを目的に、ここ3日間スポーツクラブに通っています。
ストレッチと水中ウォーキングが主体ですが、何とか右膝関節痛は軽減しています。
膝のサポーターを外し、日常生活の支障が軽くなりました。
スポーツクラブに行くと、あれやこれやと買うはめになります。
昨日はよく原理が分からない、全身検査を受けました。
当初は冷やかしのつもりでしたが、ちゃっかりお金を払うはめになりました。
今日は全身排毒エステなるものを受けることになりました。
これも当初は冷やかし半分、話のネタ半分の気分でした。
そもそもエステ自体が初体験です。
全身にサランラップを巻かれ、さらに遠赤外線のマットで2時間強包まれます。
ファラオのようなミイラを連想します。
動くと怒られますし、実際にはマットで体が緊縛されているので動けません。
補水するにもストローで飲ませてもらうしかありません。
遠赤外線で私の体はじわじわと焙られます。
熱い!と訴えても、「それは血流が悪いから…」の一言で処理されます。
さながら食材の魚か肉の「包み焼」です。
それからオイルマッサージです。こうなるともはや「照り焼」です。
しかも今日はアルコールを摂取してはならないとのこと。
昨日もビールを飲んでいません…とほほ…
このエステは約2、3時間マラソン程度の疲労があるそうです。
当初はそう自覚がありませんでしたが、今はずしりとした疲労感があります。
今日は朝から夕までスポーツジムに費やし、デスクワークは殆ど何もしていません。
全身から全ての毒を除去できたか?…「お決まりのオチ」です。
「このエステを10日に1度続けていきましょう」…ええかんげんにせぇ!わしゃ「有閑マダム」とちゃうでぇ!
精神と肉体のバランス…言うが易し、行うが難し…なかなか難しいですね。
2013年12月13日金曜日
【賀状書く・岸本尚毅氏】
・新日本大歳時記・冬(講談社 1999年刊)より
〈賀状書く〉;…「新年の御慶めでたく申し納め候」と書いていたが、年賀郵便の普及した明治末には葉書向けの「謹賀新年」などになった…(季語解説執筆者;坪内稔典氏)
・角川俳句大歳時記・冬(角川学芸出版 2006年刊)より
〈賀状書く〉;十二月の忙しい日々のなかで、少しずつ時間をつくって賀状を書く。印刷にしろ、絵や版画にしろ、相手を思い、記憶を辿りながら丁寧に賀状を書くのは、元日に届く賀状を読む喜びを知る民族の血ゆえか…(季語解説執筆者;西村和子氏)
・知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く 岸本尚毅
・日本の大歳時記(小学館 2012年刊)より
〈賀状書く〉;慌ただしい十二月、何とか時間を見つけて賀状(年賀状)を書き、元日に届くよう早めに投函する。かつては目上の人には墨守でしたため、仲間には芋版で作って送り、親戚には近況報告を多めにするなどして、平素の無沙汰を詫びる気持をこめて書いたものだった…
・世のつねに習ふ賀状を書き疲る 富安風生
類に洩れず私も賀状を書いています。
表の宛名書き(ワープロ)だけでも既に70枚をこえました。
気持ちは富安風生の句と同じです。
振り返らずとも分かりますが、今年の私のデスクワークのほとんどは、俳句の本道とはかけ離れたものばかりでした。
今年は拙句集を上梓し、寄贈した方々からの有り難い御返信(葉書・封書・ネット)を戴いており、社会人としての最低限のマナーとして賀状を書いています。
さて…「知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く 岸本尚毅」は句集『健啖』に収録されています。
季語の本意・本情を踏まえつつ、内容と季語の絶妙な距離感に感心します。
ただ俳句に携わっていない一般の方や初学者には充分な理解は難しいかも知れません。
『現代俳句の海図-昭和三十年代俳人たちの行方』(小川軽舟箸 角川学芸出版 2008)より一部(p.191〜192)を抜粋します。
・盆の波ゆるやかにして響きけり
・健啖のせつなき子規の忌なりけり
・淋しさはわが子と遊ぶ春の暮
・火のかけら皆生きてゐる榾火かな
「これらの作品のなつかしい読後感は、二十代半ばまでの岸本の俳句の鋭利な手触りとは明らかに違う。その季語のなつかしさの拠り所が季語の情緒であることは一目瞭然である。「盆の波」「子規忌」「春の暮」「榾火」という季語の情緒はけっして殺がれることなく一句を満たしている。岸本の作品にはかつて見られなかった現世への愛着が感じられる。実はそれは、前句集に〈末枯に子供を置けば走りけり〉〈啄木鳥や妻にも二つ膝小僧〉といった妻子を読んだ桂句が見られるようになって既に感じられたことだ。岸本も人の子になったと言えようか」
僭越ながら上記の「賀状書く」の句を含めた5句で、私の好む順を述べます。
① 淋しさはわが子と遊ぶ春の暮 ② 知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く ③ 健啖のせつなき子規の忌なりけり ④ 盆の波ゆるやかにして響きけり ⑤ 火のかけら皆生きてゐる榾火かな
12月はそもそも気忙しい時期です。年末・年始は超大型連休になりますが、景気の回復感も手伝って今から旅行(宿)の予約をするのも一苦労です。
私は12/27には旅(山陰)に出て、そのまま九州の本家に一泊し、また山陰に行く予定です。広島に戻る?のは1/6となります。計11日間の旅となります。
その間に次の旅(北海道)の日程を考えます。
旅は己を省みる機会であると同時に、詩嚢を満たしてくれます。
その場でふっと句がわけば残しておきますが、旅先の景の一部を切り取り作句しようとは思いません。そのことより、その土地の醸す「風土」や「(広義の)空気」を何となく掴めれば幸いと考えています。
「骨」や「骨法」が掴めれば、「肉」や「肉付け」は机上で充分出来ます。
・新日本大歳時記・冬(講談社 1999年刊)より
〈賀状書く〉;…「新年の御慶めでたく申し納め候」と書いていたが、年賀郵便の普及した明治末には葉書向けの「謹賀新年」などになった…(季語解説執筆者;坪内稔典氏)
・角川俳句大歳時記・冬(角川学芸出版 2006年刊)より
〈賀状書く〉;十二月の忙しい日々のなかで、少しずつ時間をつくって賀状を書く。印刷にしろ、絵や版画にしろ、相手を思い、記憶を辿りながら丁寧に賀状を書くのは、元日に届く賀状を読む喜びを知る民族の血ゆえか…(季語解説執筆者;西村和子氏)
・知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く 岸本尚毅
・日本の大歳時記(小学館 2012年刊)より
〈賀状書く〉;慌ただしい十二月、何とか時間を見つけて賀状(年賀状)を書き、元日に届くよう早めに投函する。かつては目上の人には墨守でしたため、仲間には芋版で作って送り、親戚には近況報告を多めにするなどして、平素の無沙汰を詫びる気持をこめて書いたものだった…
・世のつねに習ふ賀状を書き疲る 富安風生
類に洩れず私も賀状を書いています。
表の宛名書き(ワープロ)だけでも既に70枚をこえました。
気持ちは富安風生の句と同じです。
振り返らずとも分かりますが、今年の私のデスクワークのほとんどは、俳句の本道とはかけ離れたものばかりでした。
今年は拙句集を上梓し、寄贈した方々からの有り難い御返信(葉書・封書・ネット)を戴いており、社会人としての最低限のマナーとして賀状を書いています。
さて…「知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く 岸本尚毅」は句集『健啖』に収録されています。
季語の本意・本情を踏まえつつ、内容と季語の絶妙な距離感に感心します。
ただ俳句に携わっていない一般の方や初学者には充分な理解は難しいかも知れません。
『現代俳句の海図-昭和三十年代俳人たちの行方』(小川軽舟箸 角川学芸出版 2008)より一部(p.191〜192)を抜粋します。
・盆の波ゆるやかにして響きけり
・健啖のせつなき子規の忌なりけり
・淋しさはわが子と遊ぶ春の暮
・火のかけら皆生きてゐる榾火かな
「これらの作品のなつかしい読後感は、二十代半ばまでの岸本の俳句の鋭利な手触りとは明らかに違う。その季語のなつかしさの拠り所が季語の情緒であることは一目瞭然である。「盆の波」「子規忌」「春の暮」「榾火」という季語の情緒はけっして殺がれることなく一句を満たしている。岸本の作品にはかつて見られなかった現世への愛着が感じられる。実はそれは、前句集に〈末枯に子供を置けば走りけり〉〈啄木鳥や妻にも二つ膝小僧〉といった妻子を読んだ桂句が見られるようになって既に感じられたことだ。岸本も人の子になったと言えようか」
僭越ながら上記の「賀状書く」の句を含めた5句で、私の好む順を述べます。
① 淋しさはわが子と遊ぶ春の暮 ② 知らぬ子と遊ぶ吾が子や賀状書く ③ 健啖のせつなき子規の忌なりけり ④ 盆の波ゆるやかにして響きけり ⑤ 火のかけら皆生きてゐる榾火かな
12月はそもそも気忙しい時期です。年末・年始は超大型連休になりますが、景気の回復感も手伝って今から旅行(宿)の予約をするのも一苦労です。
私は12/27には旅(山陰)に出て、そのまま九州の本家に一泊し、また山陰に行く予定です。広島に戻る?のは1/6となります。計11日間の旅となります。
その間に次の旅(北海道)の日程を考えます。
旅は己を省みる機会であると同時に、詩嚢を満たしてくれます。
その場でふっと句がわけば残しておきますが、旅先の景の一部を切り取り作句しようとは思いません。そのことより、その土地の醸す「風土」や「(広義の)空気」を何となく掴めれば幸いと考えています。
「骨」や「骨法」が掴めれば、「肉」や「肉付け」は机上で充分出来ます。
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