2013年12月27日金曜日

【角川『俳句』1月号より②】

〈新年詠12句『星辰』大石悦子〉

・星一つこぼさずに年逝きにけり

・あらたまのあらひたてなる海の星

〈新年詠12句『初筑波』今瀬剛一〉

・七草粥よりながながと芹の青

・買初の靴なり前途三千里

〈新年詠12句『大鴻』井上弘美〉

・炉火熾ん頭芋など抛り込み

・連峰は群青を濃くのつぺい汁

〈新年詠12句『源流』佐怒賀正美〉

・舌滑り易く酢牡蠣に歯を立つる

・浴油講続く世なりごろすけほう

〈新年詠12句『年移る』小川軽舟〉

・冬麗やシーツかわけば風はらむ

・女湯に天井つづく初湯かな

〈新年詠12句『言の葉』藺草慶子〉

・一椀の湯気ゆたかなりお元日

・すずなすずしろしづかに時のふりつもる

〈日本の俳人100 安西 篤句集『秋の道』〉
-新作7句『黙示録』-

・8の字を永遠と見し初景色

-『秋の道』自選20句抄-

・登高やみんな似てくる素老人

・垂直に人の死の来る寒夕焼け

〈Close Up 加藤耕子句集『夏至冬至』〉
-新作5句『榠樝照り』-

・月清し浜に伝ふる国ゆづり

-『夏至冬至』自選20句抄-

・仲麻呂の月に会ひたき夜光杯

・琉球の漆一滴実千両

〈暗唱句〉
生活
〈餅花〉
・餅花や不幸に慣るゝこと勿れ             中村草田男
・餅花のなだれんとして宙にあり            栗生純生     (☆)
・ささめごとめきて餅花揺れ交す            三村純也

〈左義長〉
・松飾いづこで焚くも地の厚み             神尾久美子
・どんどの火跳ねてふるさと逃げもせず         福田甲子雄    (☆)
・金の火と銀の煙や飾焚く               鷹羽狩行
・金箔の剥がれとびたる吉書揚             茨木和生
・どんど火の芯を恵方に引き倒す            伊藤浩子

〈獅子舞〉
・獅子舞に喜寿の結ひ髪噛ませけり           松本澄江     (☆)

重要季語27、暗唱句61です。

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