【角川『俳句』1月号より②】
〈新年詠12句『星辰』大石悦子〉
・星一つこぼさずに年逝きにけり
・あらたまのあらひたてなる海の星
〈新年詠12句『初筑波』今瀬剛一〉
・七草粥よりながながと芹の青
・買初の靴なり前途三千里
〈新年詠12句『大鴻』井上弘美〉
・炉火熾ん頭芋など抛り込み
・連峰は群青を濃くのつぺい汁
〈新年詠12句『源流』佐怒賀正美〉
・舌滑り易く酢牡蠣に歯を立つる
・浴油講続く世なりごろすけほう
〈新年詠12句『年移る』小川軽舟〉
・冬麗やシーツかわけば風はらむ
・女湯に天井つづく初湯かな
〈新年詠12句『言の葉』藺草慶子〉
・一椀の湯気ゆたかなりお元日
・すずなすずしろしづかに時のふりつもる
〈日本の俳人100 安西 篤句集『秋の道』〉
-新作7句『黙示録』-
・8の字を永遠と見し初景色
-『秋の道』自選20句抄-
・登高やみんな似てくる素老人
・垂直に人の死の来る寒夕焼け
〈Close Up 加藤耕子句集『夏至冬至』〉
-新作5句『榠樝照り』-
・月清し浜に伝ふる国ゆづり
-『夏至冬至』自選20句抄-
・仲麻呂の月に会ひたき夜光杯
・琉球の漆一滴実千両
〈暗唱句〉
生活
〈餅花〉
・餅花や不幸に慣るゝこと勿れ 中村草田男
・餅花のなだれんとして宙にあり 栗生純生 (☆)
・ささめごとめきて餅花揺れ交す 三村純也
〈左義長〉
・松飾いづこで焚くも地の厚み 神尾久美子
・どんどの火跳ねてふるさと逃げもせず 福田甲子雄 (☆)
・金の火と銀の煙や飾焚く 鷹羽狩行
・金箔の剥がれとびたる吉書揚 茨木和生
・どんど火の芯を恵方に引き倒す 伊藤浩子
〈獅子舞〉
・獅子舞に喜寿の結ひ髪噛ませけり 松本澄江 (☆)
重要季語27、暗唱句61です。
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