【角川『俳句』1月号より③(終)】
〈新年 精鋭作家競詠10句『マカロニ』神野紗希〉
・初空や伊豆の山葵のあさみどり
・すずしろや富士山はまだ若き山
〈新年 精鋭作家競詠10句『きらめく』堀本裕樹〉
・初春やくねりくねりと飴細工
〈新年 精鋭作家競詠10句『都鳥』糸屋和恵〉
・太箸や仮の住まひと思ひしを
〈新年 精鋭作家競詠10句『仁王立ち』平井岳人〉
・数の子の水替へやればいとほしき
・座布団の足らぬと騒ぐ年賀かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『首』宮本佳世乃〉
・霜の夜のいつかは止まる洗濯機
〈新年 精鋭作家競詠10句『正月の乱』谷 雄介〉
(なし)
〈新年 精鋭作家競詠10句『水辺』髙勢祥子〉
・初夢を反芻したる水辺かな
・腐蝕てふ工程があり寒椿
〈新年 精鋭作家競詠10句『初夢』堀田季何〉
・初夢の馬車馬打てば吾の声
〈新年 精鋭作家競詠10句『耳朶』津久井健之〉
・洟をかむ音すさまじき大旦
・渾身の力まなこに独楽を打つ
・菜の雫ちらし俎始かな
〈新年 精鋭作家競詠10句『零時』西山ゆりこ〉
・湯冷めして手足遅れてついてくる
〈暗唱句〉
生活
〈春着〉
・人の着て魂なごみたる春着かな 飯田蛇笏
・膝に来て模様に満ちて春着の子 中村草田男
・九十年生きし春着の裾捌き 鈴木真砂女
・妙齢の春着音してにほひして 森 澄雄 (☆)
〈初湯〉
・初湯出し肉(ししむら)湯気をはなちけり 飯田蛇笏
・初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり 阿波野青畝
・ほと毛濃き農婦の初湯田を隔て 石川桂郎
・酒少し足して初湯を浴びにけり 角川春樹 (☆)
・雫して夫から妻へ初湯の子 長田群青
〈初便〉(なし)
重要季語30、暗唱句70です。
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