2013年12月22日日曜日

【句集『七十二候』五十嵐義知(邑書林)】

五十嵐氏より句集を戴きました。15年間の集大成334句が六章に収めています。
佳句が並びます。

その全てを紹介することはできませんが、特に印象に残った句を16句紹介します。
好みの個人差はあれど、私の実力を反映していることは否定しません。

・竿燈を差し手へ渡すあはひかな

・島国の曲線に沿うつばくらめ

・北国へ向かふ線路や星祭

・路地抜けて祭の中に出でにけり

・日食やでで虫あまた通り過ぐ

・銀漢のまぢかき山の祈禱かな

・白き柄の飛び出してをり茸籠

・竈猫目つむるままに運ばるる

・落人の谷やあまたの蟬の殻

・手のひらに月降りてくる風の盆

・群れ飛んで群を離るるあきつかな

・風強く吹きたる後の竹を伐る

・北国の北に国あり雁渡し

・寒鱈の尾の納まりし社殿かな

・この川を渡る術あり蝸牛

・天守閣までいつくかの落し文

〈暗唱句〉
時候〈去年今年〉
・去年今年貫く棒の如きもの              高浜虚子     (☆)
・埋火の生きてつなぎぬ去年今年            森 澄雄

生活
〈蓬莱〉
・蓬莱に聞かばや伊勢の初便              芭 蕉
・蓬莱や東にひらく伊豆の海              水原秋桜子    (☆)

〈鏡餅〉
・鏡餅暗きところに割れて座す             西東三鬼     (☆)

重要季語15、暗唱句33です。

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