【句集『七十二候』五十嵐義知(邑書林)】
五十嵐氏より句集を戴きました。15年間の集大成334句が六章に収めています。
佳句が並びます。
その全てを紹介することはできませんが、特に印象に残った句を16句紹介します。
好みの個人差はあれど、私の実力を反映していることは否定しません。
・竿燈を差し手へ渡すあはひかな
・島国の曲線に沿うつばくらめ
・北国へ向かふ線路や星祭
・路地抜けて祭の中に出でにけり
・日食やでで虫あまた通り過ぐ
・銀漢のまぢかき山の祈禱かな
・白き柄の飛び出してをり茸籠
・竈猫目つむるままに運ばるる
・落人の谷やあまたの蟬の殻
・手のひらに月降りてくる風の盆
・群れ飛んで群を離るるあきつかな
・風強く吹きたる後の竹を伐る
・北国の北に国あり雁渡し
・寒鱈の尾の納まりし社殿かな
・この川を渡る術あり蝸牛
・天守閣までいつくかの落し文
〈暗唱句〉
時候〈去年今年〉
・去年今年貫く棒の如きもの 高浜虚子 (☆)
・埋火の生きてつなぎぬ去年今年 森 澄雄
生活
〈蓬莱〉
・蓬莱に聞かばや伊勢の初便 芭 蕉
・蓬莱や東にひらく伊豆の海 水原秋桜子 (☆)
〈鏡餅〉
・鏡餅暗きところに割れて座す 西東三鬼 (☆)
重要季語15、暗唱句33です。
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