2013年12月18日水曜日

『俳壇』1月号より②

〈俳壇賞作家のいま 作品10句 『羽風山茶花』鳥居真里子〉


・雪来るか寝くたれの髪かきあげて


・とろ火とろとろふくろふのよく鳴くよ

〈俳壇ワイド作品集 『水影』清水道子〉


・短日や小道具走る舞台裏


〈俳壇ワイド作品集 『つはぶき』清水雅子〉


・秋惜しむ金箔浮かぶ酒を酌み


・つはぶきや父母なき家の鍵開けて

〈俳壇ワイド作品集 『冬に入る』刈米育子〉


・冬うらら比叡山(ひえい)を盾に京の町


〈俳壇ワイド作品集 『初雀』藤島咲子〉


・昼過ぎの光をひきて小鴨現る


…「現る」はおそらく「ある」と読むのでしょうが、ルビが必要かも知れません。


〈俳壇ワイド作品集 『新松子』中村洋子〉


・納屋のものみな出してをり冬支度


・大根蒔く畝一段と高くして

〈俳壇ワイド作品集 『初稽古』篠遠良子〉

・メガフォンのことばうやむや年籠


〈俳壇ワイド作品集 『実南天』保坂敏子〉


・雪が来る樅が檜にささやけば


〈本阿弥ブックレビュー 『晴朗』仁尾正文〉


・晴朗にして風強き建国日


・クレーンを高みに畳み年を越す

〈暗唱句〉

生活〈門松〉(なし)

動物〈嫁が君〉

・どこからか日のさす閨や嫁が君           村上鬼城
・ぬば玉の閨かいまみぬ嫁が君            芝 不器男
・ぬばたまのまなこといへば嫁が君          鷹羽修行       (☆)
・嫁が君父の家いま兄の家              辻田克巳

植物〈福寿草〉

・日のあたる窓の障子や福寿草            永井荷風
・福寿草雪をかぶりて金ほのか            山口青邨
・妻の座の日向ありけり福寿草            石田波郷       (☆)

重要季語6、暗唱句12です。

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