2013年1月9日水曜日

何とか風邪の峠は越えたようですが、快癒していません。
全国的に流行しているようです。乳幼児や老人では、気管支炎・肺炎を引き起こし死に至ることも稀ではありません。

風邪、咳、嚔、水洟の例句を挙げます。

【風邪】
・風邪おして着る制服の釦多し       榎本冬一郎
・とほくから子供が風邪をつれてきぬ    鴇田智哉

一句目は社会人の辛さが伝わります。
二句目は易しい言葉で深い内容を叙しています。見倣いたいものです。

【咳】
・せきをしてもひとり           尾崎放哉
・咳き込めば我火の玉のごとくなり     川端茅舎

二人の咳は結核によるものです。

・咳の子のなぞなぞあそびきりもなや    中村汀女

末尾の「もなや」は、「も」接続助詞(余情-強調・感動)・「な」は「なし(形・活用)」の語幹・「や」は助詞(詠嘆・感動)と思います。

【嚔】
・くしやみの子答へ忘れてしまひけり    山根繁義
・大嚔して自転車のぐらつけり       小西領南

多くの例は滑稽さが主体です。

・洗礼のみどりご小さき嚔せり       藤田 宏

この嚔は滑稽さではなく、小さな命への賛歌と取れます。

【水洟】
・水洟をすすりて拝む神ほとけ       青柳志解樹

滑稽(諧謔)に加え、悲哀が滲んでいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿