何とか風邪の峠は越えたようですが、快癒していません。
全国的に流行しているようです。乳幼児や老人では、気管支炎・肺炎を引き起こし死に至ることも稀ではありません。
風邪、咳、嚔、水洟の例句を挙げます。
【風邪】
・風邪おして着る制服の釦多し 榎本冬一郎
・とほくから子供が風邪をつれてきぬ 鴇田智哉
一句目は社会人の辛さが伝わります。
二句目は易しい言葉で深い内容を叙しています。見倣いたいものです。
【咳】
・せきをしてもひとり 尾崎放哉
・咳き込めば我火の玉のごとくなり 川端茅舎
二人の咳は結核によるものです。
・咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女
末尾の「もなや」は、「も」接続助詞(余情-強調・感動)・「な」は「なし(形・活用)」の語幹・「や」は助詞(詠嘆・感動)と思います。
【嚔】
・くしやみの子答へ忘れてしまひけり 山根繁義
・大嚔して自転車のぐらつけり 小西領南
多くの例は滑稽さが主体です。
・洗礼のみどりご小さき嚔せり 藤田 宏
この嚔は滑稽さではなく、小さな命への賛歌と取れます。
【水洟】
・水洟をすすりて拝む神ほとけ 青柳志解樹
滑稽(諧謔)に加え、悲哀が滲んでいます。
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