寒の内です。小寒・大寒を経て寒明(立春の前日二月三日頃)までのおよそ三十日間をいいます。寒に入って四日目を寒四郎、九日目を寒九といいます。
初春の季語に「余寒」があります。暦の上では寒が明けて春を迎えているものの、まだ残る寒さがあるというのが本意です。
ですから「余寒なほ」という措辞には問題があるのですが、実際のところ少なからず例句があります。しかしやはり本意から外れていますので使用は避けたいところです。
物として寒の畳に座しゐたり 村越化石
現身(うつしみ)の寒極まりし笑ひ声 岡本 眸
東海道なんと寒九のゆきわたる 松澤雅世
捨て石のなかに石臼寒四郎 亀田虎童子
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