ようやく感冒から離脱しつつありますが、まだ体力が充分ではありません。
初学の頃の本について
最初に出会う本が後まで影響を及ぼすことが少なくありません。
初学の頃に読んだ本では藤田湘子氏の著作に影響を受けました。
「俳句の佇い」「調べの重要性」…それらは今も私の源泉です。
次に影響を受けたのは長谷川櫂氏の「一億人の俳句入門」でした。その頃、角川出版より「角川俳句大歳時記」が出版され、その付録に後に「一億人の季語入門」となる冊子があり、触発されました。
今では多くの俳句入門書があります。
今の入門書の多くは「取り合わせ」から入っています。それが本来あるべき姿かも知れません。
しかしなかなか初学者は「取り合わせ」に抵抗を感じます。歳時記に馴染んでもいません。「切れ」も熟知していません。
「一物仕立て」ではかなりのことは言い尽くされており、「発見」がなければ「ただごと」になりがちですが、初学者にとっては散文に近い「一物仕立て」の方が、導入に抵抗が少ないのです。
「取り合わせ」で初学者が悩むことは、季語との距離感です。
まず季語の本意・本情を充分に理解していません。それ抜きに「取り合わせ」は成功しません。
次に信頼のおける選者の選や指導を受けることです。
最初は失敗を怖れず出来るだけ離してみる方が良いか思います。「離れ過ぎ」なら少し手前にしてみる。以外にも丁度いいポイントは、予想していた以上に遠くにありものです。
ポイントを初めから近場にし、そこから遠くを探る方法は勧められません。
不幸にも句会などで「即き過ぎ」の句が評価されると、作者は失敗を怖れ「離す」ことが困難となります。ひいては将来の作風に繋がりかねません。
話を戻します。
入門書の後半には、「句会の進め方」や「結社について」という項目が並びます。
特に「結社について」の項目はトーンダウンしています。
結社の見本誌を取り寄せ見比べる、その主催の句集を読んでみると言われても、それが出来ないのが「初学者」なのですから、そのあたりが何とかならないものかと思います。
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