2013年1月4日金曜日

非常に寒い朝です。雪は降っておらず夜空は澄んでいます。放射冷却によるものです。こうした日の昼間は「冬日和(冬晴)」となりがちです。
正月三が日を経ればすぐに「寒の入」です。「小寒」「大寒」という「寒の内」を「節分」で締め、ようやく「立春」です。
俳句においては、旧暦と新暦の入り交じる現代は悩ましいところです。

ところで今日は「仕事始」の方が多いでしょう。しかし今年は金曜日の今日を挟んでまた土日を迎えます。本格的な仕事は週明けからでしょうか。

〈仕事始とて人に会うばかりなり 大橋越央子〉

歳時記には「仕事始」は二日と十一日に行うことが多いとありますが、現代では農業・漁業などを除けば一般的に四日となるのでしょうか。
「仕事始」は傍題を含め多くの表現があります。「初仕事」、官公庁の「御用始」(原則四日)、民間企業などの「事務始」。ざっと歳時記を見回すと「秤始(はかりぞめ)」「初原稿」「稿始」「河岸始(かしはじめ)」「医務始」「初出勤」なども。

〈初仕事コンクリートを叩き割り 辻田克巳〉

お屠蘇気分が吹っ飛んでしまう感があります。正月十一日の「鏡開(鏡割)」を連想させ、おそらくそれに因んでいると思います。

〈創傷の抜糸を仕事始とす 有泉七種〉

医師として実感があります。抜糸は切創の縫合の後1週間で施行します。年末に「忘年会」か何かで怪我をした人が縫合を受けているのでしょう。「医務始」は救急でない限り四日ですので、抜糸のタイミングと合致します。年末に怪我した人は「医務始」まで、風呂も入らず飲酒も控え目にし、自分で傷を消毒し、抗生剤の軟膏を塗り、包帯を巻き、抗生剤を内服していたことでしょう。個人的には両方の体験がありますが、一人で二役をこなすこともあります(役得でしょうか?)。

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