俳句の構造には「一物仕立て」と「取り合わせ」しかありません。
「一物仕立て」は散文に近い形です。自由律は「一物仕立て」です。
さて「取り合わせ」の際に問題となる、「即き過ぎ」の話をします。
季語そのものにも「即きやすい」ものがあります。
「桃の花」、「秋風」は「即きやすい」季語の横綱です。
元来、時候の季語は、季節の移行時(初春など)には近似の季語が多いものですが、
「即き過ぎ」を起こしやすい時候の季語では
春…「暖か」「春浅し」
夏…「薄暑」「聖五月」
秋…「秋麗」
冬…「三寒四温」「日脚伸ぶ」
暮・新年…「数え日」「淑気」
また植物の季語では
春…(桃の花)「蒲公英」
夏…「桐の花」「花菖蒲」
秋…「草の花」
冬…「返り花」
新年…「福寿草」
忌日の季語では
「桜桃忌」
などです。もちろん他にもあることでしょう。
「即きやすい」季語を用いた「取り合わせ」は、「季語」の不安定さ(動揺性)を露呈するという「陥穽」に陥る可能性が高いとも言えます。
「即きやすい」季語は、その本意・本情を踏まえた上で、不安定さ(動揺性)がないか、最終点検の必要があるかも知れません。
更には普段から使える「季語」の数や範疇を増やしておく努力も不可欠かと思います。
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