2013年2月20日水曜日

「卑怯(者)」・鬼貫

・「卑怯(者)」

私の知人にも「ネットの俳句など意味がない」と頭ごなしに否定する人がいます。

私とて最初はネットの横書きの俳句には抵抗がありました。
それでもしばらくするうちに、横書きでも縦書きと大差なく読めるようになりました。
いつしか意識せずとも頭の中で、横書きが縦書きに変換されるようになったのかも知れません。

しかしその知人は、横書きの句を書いたこともなければ、ネットも出来ず、更にはパソコンすら扱えません。
僅かな体験もない彼に、己とは「異質」なものを根底から否定する資格はありません。

俳句に限らずどの世界でも、「卑怯(者)」と言われても仕方ありません。

・鬼貫

右の短冊は、柿衛文庫「鬼貫賞」の副賞として昨年頂いた短冊です。

おもしろさ急には見へぬすすきかな 鬼貫」

上島鬼貫直筆(レプリカ)ですが、達筆すぎて「おもしろさ」の後はなかなか読めません。

上島鬼貫は「東の芭蕉、西の鬼貫」と言われています。

ところでこの句は「一物仕立て」でしょうか、それとも「取り合わせの変型」でしょうか。どちらとも取れそうです。
両方に取れる句は少なくありません。その場合、ベターな方を選ぶのが原則です。
自信はありませんが、個人的にこの句は素直に「一物仕立て」として読んだ方が良いような気がします。

「取り合わせの変型」は「体言または連体形+かな」の形が多く、読む時には注意が必要です。

・さまざまのこと事おもひ出す桜かな        芭 蕉
・遠山に日の当たりたる枯野かな          高浜虚子

これらは「取り合わせの変型」です。

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