2013年4月17日水曜日

【タイム・ラグ】

今日は倉敷の「大原美術館」に行くつもりでしたが、風邪をこじらせ中耳炎を併発したため、安静に過ごしました。

振り返ると初学の頃はがむしゃらでした。何かに煽られているかのようでした。
それですぐ俳句が上手くなるかというと、そうでもありません。

若いうちは無理がききますが、年齢を重ねるとそうもいきません。
ただ若い頃の経験や視野の広がりもあり、ある程度要領が良くなります。
若い時の体験が丁度良く濾過され、「景」を読者に伝えやすくなっています。
ここで俳句は「上達」という形をとります。

俳句は、実体験と句作とにタイム・ラグが生じるものです。

「東日本震災忌」を挙げるまでもなく、幾ら情報化・デジタル化社会となろうとも、心(脳)はアナログです。

特にこのような災禍を「作品」にするには、作者-読者の共同作業が必要です。
作者はやや長いスパンで捉えつつ、横の糸ないし面を提示する。読者はそこに記憶の縦糸を織り込んでいく。そこで初めて「作品」が織り上がると思います。

次の「上達」のために旅などの「仕込み」が必要ですが、残念ながら今は上手くいっていません。
正直、少し休みたいとも思いました。ようやくこの頃意欲が出て来ましたが、まだ詩嚢の井戸は満たされていません。

句作をしていないと鑑賞力も低下します。これらはパラレルな関係にあります。
句作が上手く鑑賞が下手な人はいませんし、逆もまた然りです。

本日、「フランス堂」から連絡がありました。拙句集の見本誌が出来たそうです。
もはや「見本誌」をみるつもりはなく、発刊と配送をお願いしました。

原稿を版元に渡したのが今年の1月初旬から中旬ですから、やはり上梓まで3〜4ヶ月はかかります。

出来る範囲のことは自分一人で済ませました。
原稿を渡してからここまで、非常に長く感じられました。

ただこうして「まとめ」をすると、それまで気付かなかった失敗が見えてきました。
それでも100%満足するものは出来ません。たとえ作者が100%満足しても、読者がそうでなければ充分ではありません。

次の句集がいつになるのか分かりませんが、そこでまた成長を証明すればよいかと思う次第です。

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