2013年7月21日日曜日

俳壇8月号より④

〈俳壇ワイド作品集・今月の主宰『陸奥を行く』星野光二〉

(なし)

俳壇ワイド作品集・今月の編集長『熊野行』天野小石

(なし)

俳壇ワイド作品集・今月の受賞作家『涼意』山下桂子

(なし)

俳壇ワイド作品集・今月の有力同人『飛魚』金崎雅野

・街包む夕凪といふ見えぬ膜


…眼目は「膜」です。「街」は「町」とする方が、海沿いの近い町を想像しやすいかも知れません。


俳壇ワイド作品集・今月の新人賞作家譽『飛魚』譽田文香


・渓谷の底に暑さを解きゆく


…「渓谷の底」の「底」が不自然な感じがします。

「渓谷にありて暑さをほどきけり」、「渓谷にありて身の暑をほどきけり」でも良いかも知れません。

俳壇ワイド作品集・今月のゲスト『終の遊び』山藤章二


・落雷やぱっかり樹齢二百年


大樹にとって「二百年」はやや短い気がします。「ぱっかり」は不要な気がします。

「落雷の疵もありけり老大樹」でも良いかも知れません。

・井の中の蛙は天の深さ知り


…滑稽。天の高さでなく、「深さ」という措辞が、水の深さと呼応して生きています。



〈暗唱句〉

時候〈残暑-初秋〉

・朝夕がどかとよろしき残暑かな           阿波野青畝    (☆)

・吊革に手首まで入れ秋暑し             神蔵 器
・てにをはを省き物言ふ残暑かな           戸垣東人

天文〈鰯雲-三秋〉

・鰯雲人に告ぐべきことならず            加藤楸邨     (☆)
・鰯雲日かげは水の音迅く              飯田龍太
・鰯雲人は働き人は病む               相馬遷子
・アンテナの肋さまざま鰯雲             小檜山繁子

地理〈秋の田-仲〉

鈍行や海と平らに瑞穂の田             成田千空     (☆)
・秋の田へぐらりと日本海の蒼            宇咲冬男
・萬葉の秋の田の歌戀のうた             筑紫盤井

以上で重要季語15、例句42です。

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