〈俳壇ワイド作品集・今月の主宰『陸奥を行く』星野光二〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集・今月の編集長『熊野行』天野小石〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集・今月の受賞作家『涼意』山下桂子〉
(なし)
〈俳壇ワイド作品集・今月の有力同人『飛魚』金崎雅野〉
・街包む夕凪といふ見えぬ膜
…眼目は「膜」です。「街」は「町」とする方が、海沿いの近い町を想像しやすいかも知れません。
〈俳壇ワイド作品集・今月の新人賞作家譽『飛魚』譽田文香〉
・渓谷の底に暑さを解きゆく
…「渓谷の底」の「底」が不自然な感じがします。
「渓谷にありて暑さをほどきけり」、「渓谷にありて身の暑をほどきけり」でも良いかも知れません。
〈俳壇ワイド作品集・今月のゲスト『終の遊び』山藤章二〉
・落雷やぱっかり樹齢二百年
…大樹にとって「二百年」はやや短い気がします。「ぱっかり」は不要な気がします。
「落雷の疵もありけり老大樹」でも良いかも知れません。
・井の中の蛙は天の深さ知り
…滑稽。天の高さでなく、「深さ」という措辞が、水の深さと呼応して生きています。
〈暗唱句〉
時候〈残暑-初秋〉
・朝夕がどかとよろしき残暑かな 阿波野青畝 (☆)
・吊革に手首まで入れ秋暑し 神蔵 器
・てにをはを省き物言ふ残暑かな 戸垣東人
天文〈鰯雲-三秋〉
・鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨 (☆)
・鰯雲日かげは水の音迅く 飯田龍太
・鰯雲人は働き人は病む 相馬遷子
・アンテナの肋さまざま鰯雲 小檜山繁子
地理〈秋の田-仲〉
・鈍行や海と平らに瑞穂の田 成田千空 (☆)
・秋の田へぐらりと日本海の蒼 宇咲冬男
・萬葉の秋の田の歌戀のうた 筑紫盤井
以上で重要季語15、例句42です。
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