〈記念作品8句『丹波栗』齊藤夏風〉
(なし)
〈記念作品8句『一絵』小檜山繁子〉
(なし)
〈記念作品8句『祇園会』辻田克巳〉
(なし)
〈記念作品8句『熱田祭』加藤耕子〉
(なし)
〈記念作品8句『塵泥』中村和弘〉
(なし)
〈記念作品8句『梅雨長し』岩淵喜代子〉
(なし)
〈作品12句『夏の日々』友岡子郷〉
・医へ通ふとき白靴を選びけり
…通院治療をしている方の気持ちが伝わります。
(他者;医師に対しては)診察が念頭にあるため、おそらくインナーも着替えているでしょう。(本人にとっては)「白」とは何かしらの「心構え」に近い心理も働いているでしょうか。「白靴」の本情である「涼しさ」は、少しでも憂鬱な気持ちを晴らしたい気持ちの現れかも知れません。
〈作品12句『海峡』伊藤敬子〉
(なし)
〈作品12句『闇の深さ』鳴戸奈菜〉
・今にして父の哀しみ日雷
…遠雷の日雷でしょうか。その雷鳴と「亡父の生前の哀しみ」との取り合わせが良いと思います。季語「日雷」が動きそうにありません。
〈作品12句『島』橋本榮治〉
・観音か聖母か岬の南風に立つ
…「題;島」がなくても、南国の島の最南端の岬を連想させます。
何かの像が立っていますが、海からの潮風、照りつける太陽、颱風などにより、もはや原形を止めていません。地理的条件、風土性、景観から想像すると、「聖母像」も含めキリスト教の像を想像します。
〈作品12句『暁闇』櫂未知子〉
・清水のむ旅にしあれば目を閉ぢよ
…旅先での「清水」に対する指南書のようです。
視覚を遮断させることで、「清水」の美味さが倍増するようです。干からびた喉に清冽な「清水」が流れ落ちる様子が浮かびます。
〈作品12句『洋室』齊藤朝比古〉
・夕焼の蛇口に唇の近付きぬ
…今はどうか分かりませんが、私の少年期では普通に蛇口に唇を付け水道水を飲んでいました。部活動の後の景ではないでしょうか。
「唇の近付きぬ」は、取り立てて言うことでしょうか。「夕焼の蛇口」という景が良いだけに、後半がやや残念な気がします。
〈暗唱句〉
生活〈灯籠-初秋〉
・かりそめに灯籠おくや草の中 飯田蛇笏 (☆)
・山蛾(さんが)食ひ切子ふたたび明(めい)もどす 橋本多佳子
・墓に行く切子の房が草に濡れ 福田甲子雄
動物〈雁-晩秋〉
・病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 芭 蕉
・雁の声のしばらく空に充ち 高野素十
・雁や残るものみな美しき 石田波郷 (☆)
・かりがねに空あけてある大和かな 角川春樹
・あをあをと雁の道あり加賀の国 田部谷 紫
植物〈葡萄-仲秋〉
・亀甲の粒ぎつしりと黒葡萄 川端茅舎 (☆)
・葡萄食ふ一語一語の如くにて 中村草田男
・葡萄剪る奧へ奧へと眼のとんで 神蔵 器
以上で重要季語30、例句86です。
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