2013年7月29日月曜日

【読書録;7月】

①『きみはいい子』中脇初枝(ポプラ社)

近郊のある街(公園)を舞台に、児童虐待やネグレクトの問題など、問題現代社会に生きる人々の抱える心理的問題を描いています。


②『晴天の迷いクジラ』窪 美澄(新潮社)

カバーデザインとタイトルからライトな内容かと思いましたが、意外にヘビーな箇所も少なくありませんでした。前半の読み応えのあるヘビーな内容が、後半にかけ薄れていくのがやや残念な感じがしました。

③『世界から猫が消えたなら』川村元気(マガジンハウス)

現在のある気付きから回想(過去)を遡りつつストーリーを組み立ていくテクニックは良いと思いますが、如何せん設定に無理があるのは否めません。充分な資料に基づいたリアリティーに富む土台となる舞台設定が欲しいところです。

④『ホテルローヤル』桜木紫乃(集英社)

先日、直木賞受賞作(第149回)となったに決定した小説です。
これからゆっくり読みますが、帯やカバーデザインからでも伝わってくるものがあります。はや期待が膨らみます。


〈暗唱句〉
天文〈後の月-晩秋〉

・月白もなく上りけり後の月             草間時彦
・思はざる山より出でし後の月            福田甲子雄     (☆)
・祀ることなくて澄みけり後の月           川崎展宏

生活〈砧-三秋〉

・ともし火と砧の音のほか洩れず           後藤比奈夫     (☆)

動物〈鯊-三秋〉

・灘町は昔の構へ鯊を干す              木村蕪城      (☆)

以上で重要季語39、例句106です。

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