【『俳壇』9月号より⑤】

〈俳人クロニクル 新作10句『安らかに』加藤かな文〉

・水鉄砲とどくところに戻りけり
・てらてらす岸に張りつく萍も

〈若手作家トップランナー 新作20句『朱』髙瀨祥子〉

・出陣の図に少年や青葉闇

〈俳壇賞作家のいま 作品10句『露けし』陽 美保子〉
（なし）

〈俳壇ワイド作品集『ニューヨーク』森田純一郎〉

・万緑の中なる十字墓白し

〈俳壇ワイド作品集『鰤大根』丑山霞外〉

・わが死後のことを妻いふ鰤大根

〈俳壇ワイド作品集『梅雨の家』村木節子〉
（なし）

〈俳壇ワイド作品集『夏帽子』北沢雅子〉

・絵日傘を火照りの籠るまま畳み

〈俳壇ワイド作品集『レースの雨』敦賀恵子〉
（なし）

〈俳壇ワイド作品集『風韻』執行 香〉
（なし）


〈暗唱句〉
生活
〈終戦記念日-初秋〉

・終戦日妻子入れむと風呂洗ふ　　　　　　　　　　　　秋元不死男
・飲食のおそき夜なりし終戦日　　　　　　　　　　　　星野麥丘人　　　　（☆）

〈相撲-初秋〉

（なし）

植物〈西瓜-初秋〉

・どこにこのしぶとき重さ西瓜抱く　　　　　　　　　　山口誓子

・西瓜食うて声変わりをり中学生　　　　　　　　　　　川崎展宏　　　　　（☆）

・泣いてをり肘に西瓜の種をつけ　　　　　　　　　　　中嶋鬼谷

以上で重要季語96、例句251です。