さて…最大5句までに例句を絞るのも苦渋の選択ですが、更に個人的にその一つに☆をつけます。
季語の本意・本情はどうか歳時記をよく読まれて下さい。
下記の例句は全て暗唱して下さい。どうしても無理な方は、☆だけでも暗唱して下さい。
先ずは【時候】【天文】【地理】【生活・行事】【動物】【植物】の6項目から2つずつ。
【時候】
〈春-三春〉
・腸に春滴るや粥の味 夏目漱石 (☆)
・蟇ないて唐招提寺春いづこ 水原秋桜子
・バスを待ち大路の春をうたがはず 石田波郷
・女身仏に春剥落のつづきをり 細見綾子
・春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村登四郎
〈立春-初春〉
〈立春-初春〉
・さゞ波は立春の譜をひろげたり 渡辺水巴
・立春の米こぼれをり葛西橋 石田波郷 ( ☆)
・春来ると足のせはしき車えび 堀口星眠
【天文】
【天文】
〈春の日-三春〉
・曳航のあとに散らかる春日かな 五島高資 ( ☆)
〈春の月-三春〉
・外(と)にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女 (
・紺絣春月重く出でしかな 飯田龍太
・水の地球すこしはなれて春の月 正木ゆう子
・オートバイ内股で締め春満月 正木ゆう子
【地理】
〈春の山-三春〉
・春の山とよさかのぼる気流あり 三橋敏雄
【地理】
〈春の山-三春〉
・春の山とよさかのぼる気流あり 三橋敏雄
・春嶺に笛ひびかせてバス廻す 木村凍邨 ( ☆)
〈春の野-三春〉
・吾も春の野に下り立てば紫に 星野立子 ( ☆)
〈春の野-三春〉
・吾も春の野に下り立てば紫に 星野立子
・をちこちの水集ひ合ふ春野かな 黛 執
【生活・行事】
〈初午-初春〉
・初午の祠ともりぬ雨の中 芥川龍之介
【生活・行事】
〈初午-初春〉
・初午の祠ともりぬ雨の中 芥川龍之介
・立ててすぐ幟鳴りけり午祭 榎本好宏 ( ☆)
〈雛祭-仲春〉
・天平のをとめぞ立てる雛かな 水原秋桜子
☆)
〈雛祭-仲春〉
・天平のをとめぞ立てる雛かな 水原秋桜子
・古雛をみなの道ぞいつくしき 橋本多佳子
・仕る手に笛もなし古雛 松本たかし (
・燭揺れてまたたきやまぬ雛の目 松本澄江
【動物】
〈猫の恋-初春〉
・菜の花にまぶれて来たり猫の恋 一 茶
【動物】
〈猫の恋-初春〉
・菜の花にまぶれて来たり猫の恋 一 茶
・山国の暗すさまじや猫の恋 原 石鼎 ( ☆)
・星はみな西へ下りゆく猫の恋 山口誓子〈蛙-三春〉
・古池や蛙飛びこむ水の音 芭 蕉
・昼蛙どの畦のどこ曲らうか 石川桂郎
・初かはづ喉の白さは見えずとも 宇佐見魚目
【植物】
〈梅-初春〉
〈梅-初春〉
・梅が香にのつと日の出る山路かな 芭 蕉
・梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐 雪
・勇気こそ地の塩なれや梅真白 中村草田男 ( ☆)
・尿尽きてまた湧く日日や梅の花 三橋敏雄
・白梅の花に蕾に枝走る 倉田紘文
〈椿-三〉
〈椿-三〉
・はなびらの肉やはらかに落椿 飯田蛇笏 ( ☆)
・落椿踏まじと踏みて美しき 西本一都
・室の津を隠し隠さず椿咲く 森田 峠
・犇きて椿が椿落としけり 岡本 眸
・勝鶏(かちどり)のまだ目の険し夕椿 斎籐日出於
さしあたり時候から植物の12の重要季語の暗唱句を一通り提示しました。
・勝鶏(かちどり)のまだ目の険し夕椿 斎籐日出於
さしあたり時候から植物の12の重要季語の暗唱句を一通り提示しました。
これだけでも39句(☆は12句)になります。
何度も復唱し、憶えて下さい。
暗唱している例句が多ければ、句作の際にも有効です。
「骨董の目利き」の育成法の一つとして、しばらくの間は「本物」だけを見せるそうです。そうしてある時にふと「贋作」を見せるそうです。するとしばらくの間「本物」だけを見てきた弟子は、何となくでも直感で分かるそうです。
俳句もそれに似ているところがあるかと思います。
基礎をおろそかにして、応用はありません。
まず良い作品をまず取り込み、そこからオリジナリティーを生み出すことが本道かと思います。
基礎をおろそかにして、応用はありません。
まず良い作品をまず取り込み、そこからオリジナリティーを生み出すことが本道かと思います。
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