2013年3月28日木曜日

角川「俳句」4月号より④

〈作品12句 『花守』菅原鬨也〉

・白絹を走る鋏や仏生会
やや季語の動揺性を感じます。天文も良いかもしれません。
「のうれんに東風吹くいせの出店(でだな)かな 蕪村」

作品12句 『故國』嶋田麻紀

・藩校や文武ぶんぶと虻の尻
…コメントなし

・草よりも濃き草餅の届けらる…特に冒頭「草よりも濃き草餅」には類想感がします。
草餅の草より青き匂かな 春和」

作品12句 『始発駅』本井英

・味噌汁が公魚釣に届きけり…味噌汁には魚の切り身が入るのでしょう。それを啜りながら公魚釣に没頭する姿は、客観的に滑稽ともとれます。

作品12句 『ぬくぬく』四ッ谷龍
…コメントなし。

作品12句 『鈴なり横丁』土肥あき子

・風呂敷の変幻自在自在春隣…「春隣」をうまく用いています。「の」より「は」の方が良いかと思います。

・母と子の同じ匂ひや春の雪…室外で、母も子も寒気の中で雪まみれになっているだと思います。現実的には鼻粘膜は収縮し、嗅覚は低下します。しかし確かに「(春の)雪」の匂いはあります。
「雪に獲したなごぞ雪のにほふなる 篠田悌二郎」
また相手が他人でも理屈は通りますが、「母と子」としたところに、同じ血の流れる女同士の再確認をしています。

今回紹介した中では、一番は土肥あき子氏の「風呂敷…」、二番も同氏の「母と子の…」、三番は本井英氏の「味噌汁が…」と思います。

〈暗唱句〉


生活・行事

〈桜餅-晩春〉
(なし)

〈お水取り〉
(なし)

植物

〈芹-三春〉
薄曇る水動かずよ芹の仲               芥川龍之介   (☆)
芹すすぐ濁りたちまち過ぎゆけり           岸原清行

〈若布-三春〉〉…失念していました。
・みちのくの淋代の浜若布寄す            山口青邨    (☆)

重要季語104、例句285です。これにて春の重要季語を終了します。
暫く〈暗唱句〉はお休みです。夏に入ってから再開です。

長らくお疲れさまでした。

どうやら一年を通して暗唱句を1000句には絞れそうです。
更にコンパクトにすれば、さすがに300句は無理でも、500位句は可能かも知れません。

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