どうにか「春の風邪」の峠を越えたようです。
もう一度くらいは「春の風邪」をひきそうな不安はありますが。
「春の風邪」は文芸上「明るさ」を感じますが、実質的に風邪には変わりありません。
春の日、木々の芽や花々…そうした生命力に溢れる春の中、寝込む日々は気分を陰鬱にさせます。
やはり健康が一番。健康でないと「毒」を味わえません。
煙草が美味い、酒が美味い、他に悪いこともしたくなる…
ただここで油断すると「風邪の連鎖や増悪」が生じるので注意が必要です。まだ体の隅々まで修復はされていません。
ところで「秋の風邪」という季語は見当たりません。
季語としての本意・本情を掴みにくく、また「秋に病む」などで対応できることなどが理由かと思われます。
また「薔薇(初夏)」は品種改良により四季咲きですが、「春の薔薇」という季語は見当たりません。これも季語としての本意・本情を掴みにくい印象がします。
「薔薇の芽(初春)」はありますが、これは「薔薇」に対応した季語です。
季語を、四季全てあるもの(例;鮎、蝶)、三季のもの、二季(例;冷奴・湯豆腐)等と分けてみるのも、季語の理解を深め、整理しやすくする方法になるかも知れません。
〈暗唱句 ⑩〉
時候
〈春深し-晩春〉
・春深し女人高野の闇の香も 河原枇杷男 (☆)
・カステラと聖書の厚み春深し 岩淵喜代子
・春深しひよこに鶏冠兆しつつ 三村純也
天文〈陽炎-三春〉
・原爆地子がかげろふに消えゆけり 石原八束 (☆)
・陽炎に突込んで来る猫車 佐藤鬼房
・玉関門出れば陽炎ふものばかり 山本洋子
・陽炎の中より嬰を引つこぬく 黛 執
生活・行事
〈鞦韆-三春〉
・鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女 (☆)
・鞦韆に腰かけて読む手紙かな 星野立子
・鞦韆の少女さらはれさうに漕ぐ 鍵和田秞子
・昼の月蹴り上げて来よ半仙戯 加古宗也
動物
〈蛤-三春〉
・蛤の荷よりこぼるるうしほかな 正岡子規 (☆)
・蛤のひらけば椀にあまりけり 水原秋桜子
・蛤を膝に鳴かせて夜の汽車 石塚友二
・蛤汁(はまつゆ)のほどの濁りのよかりけり 能村登四郎
植物
〈菜の花-晩〉
・菜の花や月は東に日は西に 蕪 村 (☆)
・なのはなや昼ひとしきり海の音 蕪 村
・菜の花や小学校の昼餉時 正岡子規
・菜の花の地平や父の肩車 成田千空
・サヨナラがバンザイに似る花菜道 正木ゆう子
天文は終了です。
これで重要季語は62で、3/4を超えました。例句は180です。
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