2013年3月18日月曜日

【小康状態】

どうにか「春の風邪」の峠を越えたようです。
もう一度くらいは「春の風邪」をひきそうな不安はありますが。

「春の風邪」は文芸上「明るさ」を感じますが、実質的に風邪には変わりありません。
春の日、木々の芽や花々…そうした生命力に溢れる春の中、寝込む日々は気分を陰鬱にさせます。

やはり健康が一番。健康でないと「毒」を味わえません。
煙草が美味い、酒が美味い、他に悪いこともしたくなる…
ただここで油断すると「風邪の連鎖や増悪」が生じるので注意が必要です。まだ体の隅々まで修復はされていません。

ところで「秋の風邪」という季語は見当たりません。
季語としての本意・本情を掴みにくく、また「秋に病む」などで対応できることなどが理由かと思われます。

また「薔薇(初夏)」は品種改良により四季咲きですが、「春の薔薇」という季語は見当たりません。これも季語としての本意・本情を掴みにくい印象がします。
「薔薇の芽(初春)」はありますが、これは「薔薇」に対応した季語です。

季語を、四季全てあるもの(例;鮎、蝶)、三季のもの、二季(例;冷奴・湯豆腐)等と分けてみるのも、季語の理解を深め、整理しやすくする方法になるかも知れません。

〈暗唱句 ⑩〉

時候

〈春深し-晩春〉
・春深し女人高野の闇の香も             河原枇杷男    (☆)
・カステラと聖書の厚み春深し            岩淵喜代子


・春深しひよこに鶏冠兆しつつ            三村純也

天文
〈陽炎-三春〉
・原爆地子がかげろふに消えゆけり          石原八束     (☆)
・陽炎に突込んで来る猫車              佐藤鬼房
・玉関門出れば陽炎ふものばかり           山本洋子
・陽炎の中より嬰を引つこぬく            黛 執      

生活・行事
〈鞦韆-三春〉 
・鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし            三橋鷹女     (☆)
・鞦韆に腰かけて読む手紙かな            星野立子
・鞦韆の少女さらはれさうに漕ぐ           鍵和田秞子
・昼の月蹴り上げて来よ半仙戯            加古宗也

動物
〈蛤-三春〉
・蛤の荷よりこぼるるうしほかな           正岡子規     (☆)
・蛤のひらけば椀にあまりけり            水原秋桜子
・蛤を膝に鳴かせて夜の汽車             石塚友二
・蛤汁(はまつゆ)のほどの濁りのよかりけり     能村登四郎

植物
〈菜の花-晩〉
・菜の花や月は東に日は西に             蕪 村      (☆)
・なのはなや昼ひとしきり海の音           蕪 村
・菜の花や小学校の昼餉時              正岡子規
・菜の花の地平や父の肩車              成田千空
・サヨナラがバンザイに似る花菜道          正木ゆう子

天文は終了です。
これで重要季語は62で、3/4を超えました。例句は180です。

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