2013年3月27日水曜日

角川「俳句」4月号より③

〈作品16句 『過ぎゆく刻』藤木俱子〉

・囚はれの身の鮟鱇と目を合はす
…コメントなし

〈作品16句 『痺れ』細谷喨々〉

・お山焼なれば花火の露払ひ
…コメントなし

〈作品8句 『緑さす』古賀まり子〉

・春愁や生きすぎしかも否足らざるか
…コメントなし

〈作品8句 『春夕焼』千田一路〉

・釣銭で買ひ足す雛のもの二三
…コメントなし

〈作品8句 『靖国祭』大久保白村〉

・歯科内科整形外科と暮遅し
…コメントなし

〈作品8句 『ふと一人』加藤瑠理子〉

・雪雲のビルにかかりて動かざる
…コメントなし

〈作品8句 『光と翳と』山崎聰〉

・西行の山河に遠く春の風邪
…これは面白い。西行の足跡を辿る旅の予定をしていたのでしょうが、「春の風邪」に罹患し断念したのでしょう。「願わくば花の下にて春死なん その望月の如月の頃 西行」や「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る 芭蕉」を下敷きに、現実的かつ「俗」のにおいがします。

〈暗唱句 ⑲〉

天文

〈霾-三春〉
・真円き夕日霾なかに落つ              中村汀女    (☆)
・黄砂いまかの楼蘭を発つらむか           藤田湘子

生活・行事
〈草餅-晩春〉
・草餅の草より青き匂かな              春 和     (☆)
・草餅や鴉をわらふあづま歌             水原秋桜子
・草餅や橋のたもとにして老舗            飴山 實
・山からの雨の味して蓬餅              伊藤通明
・でこぼこの土間の親しさ蓬餅            八染藍子

動物
〈蚕-晩春〉
・宵からの雨に蚕の匂かな              成 美
・つらなりて流れ来りし捨蚕かな           野村泊月
・ふるさとは框(かまち)這ひゆく春蚕かな      石 寒太    (☆)

植物
〈ものの芽-仲春〉
・土塊を一つ動かし物芽出づ             高浜虚子
・ものの芽を風雨は育て且つ痛め           阿波野青畝
・ほぐれんとして傾ける物芽かな           中村汀女    (☆)

これで重要季語100、例句282です。   

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