2013年5月8日水曜日

【穴】

ついににブログに「穴」が生じました。
読者の方々に深くお詫び申し上げます。

あらかじめ下書きを作ることもありましたが、当日には別の事を書きたくなることが多く、そうした理由から下書きを止めていました。「暗唱句」の下書きはしています。

情けない話ですが、本日は宿酔です。
罪悪感と懈怠の心地良さが綯い交ぜになった複雑な感情です。

相田みつをの『人間だものと、開き直るしかありません。
めげずにまた再出発します。

句集『原型』への多くの御感想を戴き、心より感謝する次第です。

今年一年は句作をしないつもりです。休息もありますが、一度自分の脳を洗い流し、初心に戻って俳句に取り組みたいという理由もあります。

私は以前、俳句から完全に離れていましたが、再開する際に広い視野を持つことができました。

極端な話と思われるかも知れませんが、時には俳句(界)を突き放す「勇気」も必要かと思います。それは一句一句にも言えることかと思います。

「美しい事象を美しく表現する」…これでは平板で凡庸となりがちです。余程でない限り他人に感動は与えられません。
そうした取り組みであれば、俳句よりむしろ写真、動画、絵画の方が適していると思います。

俳句(界)や美しい事象を、時には突き放し、距離を置き、多面的な把握のもとに俳句を構成する…逆説的に聞こえるかも知れませんが、こうしたことも大事かと思います。

俳句は和歌と違い、多少なりとも「俗」を含むものです。
その「俗」が俳句の存在感を成立される要素になることも少なくありません。

内在する自負を込め、卑下する表現に「俳句バカ」「俳句きちがい」という言葉を用いる方もいますが、概ねそのような方の句はそれほどのものではありません。

そこには俳句に対する自負の念と愛が存在しますが、視野は狭窄しています。

「死中に活路あり」ではありませんが、選択肢として「捨てる勇気」も必要かと思います。

〈暗唱句〉

生活・行事〈日傘-三夏〉

・母の忌や一つ日傘を姉とさし           渡辺恭子     (☆)

動物〈鳳蝶-三夏〉

・夏の蝶高みより影おとしくる           久保田万太郎
・揚羽蝶木漏日をさかのぼりゆく          神蔵 器     (☆)
・熊野古道細き空より黒揚羽            倉橋羊村
・ふらふらとカメラに入りぬ梅雨の蝶        本田晶子
・つまみたる夏蝶トランプの厚さ          髙柳克弘

植物〈朴の花-初夏〉

・朴咲いてふところ深き父郷かな          萩 遊子
・一山の空を押し上げ朴ひらく           矢部ひろし    (☆)

これで重要季語74、例句198です。

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