2013年5月21日火曜日

【俳句の骨法 ①】

key-word:「広く浅く」・「初心と基本」

他の芸術と同じく、俳句の上達を目指すことは当然のことです。

詭弁を弄する方もいますが、その背景には自尊心が傷つくことを怖れているように感じられます。

超高齢化社会の現代、「茶話会」もどきの句会の存在も必要かも知れませんが、ここでは対象にしません。

万事に通ずることかも知れませんが、はじめは「浅く広く」見ることが大事です。
そのことにより、おおまかにでも全体像を掴めてきます。

全体像を掴まぬまま広大な密林に入れば、遙か先の目的地まで到底辿り着くことは出来ません。「木を見て森を見ず」という事態は避けねばなりません。

また「初心に戻る」「基本に戻る」勇気や態度も大事なことです。
自尊心が傷つくことや、恥を怖れてはなりません。

『知識ゼロからの西洋絵画入門』山田五郎(幻冬舎)を最近購入しました。美術を全く知らない訳ではありませんが、0か100のどちらに近いかと問われれば、0と答えます。
俳句に関しても、今でも「入門書」を読みます。

ところが俳句歴が長い方で、「入門書」に抵抗感を示すことが少なくありません。
「自分は初学者ではない」という自尊心が働くのでしょう。
しかしその方の句作を見ますと、残念ながら初学の域を出ていません。
「井の中の蛙大海を知らず」では情けない。

〈暗唱句〉
生活・行事
〈祇園会-晩夏〉
(なし)

植物

〈茄子-晩夏〉
・これやこの江戸紫の若なすび           宗 因      (☆)
・採る茄子の手籠にきゆァとなきにけり       飯田蛇笏

〈蓮-晩夏〉
・蓮の香や水をはなるる茎二寸           蕪 村      (☆)
・暁闇を弾いて蓮の白さかな            芥川龍之介

これで重要季語116、例句322です。

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